天変地異の関係 ページ27
沖田side
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「明日は天変地異だ…」
「地球が滅亡するぞ…」
「いや、下手したら宇宙が…」
「大変だ、今のうちにうめぇもん食わねーと」
「レンタルDVD返さないまま人類滅亡か…」
「明日は大災害が起こるぞ」
先程から、隊士たちがひそひそ、と言うには大きな声で話している。
うるせえなあと思いつつ、ぺらりと資料をめくる。
「だって、ありえねえじゃん!」
「隊長が…沖田隊長が…」
「真面目に書類仕事をしているなんて!」
「マジ一回黙れお前ら」
人の部屋の前で噂話を繰り広げる隊士。うん、流石に、うぜえ。
俺は襖を勢いよく開け、バズーカを構える。
真っ青になる隊士たち。
「えっ、あの…」
BOM!という文字がふさわしいような爆発音がして、隊士たちは星になった。さようなら。
まあ、わからなくは無い。昨日までほとんどの書類仕事をサボっていた俺が、誕生日以来溜まりまくった書類を片付けにかかっているのだから。
「あーあ」
こうなった理由は、ふたつある。
ひとつめ。
「てな訳で、有給休暇くだせェ土方さん」
約1時間ほど前、俺は土方に有給休暇の申請をしていた。
真選組では、隊士の出欠の管理は副長である土方が行っている(近藤さんだとそれぞれの隊士の有給のカウントをうっかり引き伸ばしてしまうから)。よって、俺は有給を土方に申し出る必要があったのだ。
近藤さんによる、【新婚旅行】の提案。
先日Aさんと旅行代理店に行き、日取りを決めて券の引き換えをしてきた。
「ふうん、新婚旅行、か…」
土方はタバコをくわえたまま唸る。
近藤さんに勧められたことも洗いざらい話したので、あっさり許可が出ると思っていたのだが。討ち入りやらなんやらの予定もない日だし。
「今仕事どんくらい溜まってる?」
「仕事?いや、ないですけど」
うっかり素で答えてしまった瞬間、土方の目がつり上がった。
「嘘つけェ、書類あんだろ!有給の許可はそれ終わらせてからじゃねえと出さねえからな!」
「えー」
そういややってなかったっけ。
「分かりやしたよ」
「そうやってどんなに文句言っても認めな、え?」
俺は土方に背を向けながら告げる。
「終わらせりゃいいんでしょ?ちょっくらやってきまさァ」
「あ、お、おう。早く終わらせろよ」
戸惑いきった土方の声。てっきりいつも通り逃げられると思っていたのだろう。やけに素直だな、とボヤキが聞こえた。
これが、今書類仕事をしているひとつめの理由である。
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みるくれーぷあいす(プロフ) - 麗桜さん» ありがとうございます。 (2019年10月25日 23時) (レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
麗桜 - と〜っても面白いです!更新頑張ってください! (2019年10月25日 19時) (レス) id: a174017b38 (このIDを非表示/違反報告)
みるくれーぷあいす(プロフ) - 麗桜さん» ありがとうございます!嬉しい限りです。マイペースな更新ですが、これからもよろしくお願いします! (2019年10月19日 18時) (レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
麗桜 - とっても面白いです!無理矢理原作に沿っていなくて,とても読みやすいです!更新頑張ってください! (2019年10月19日 16時) (レス) id: a174017b38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるくれーぷあいす | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ykoma1218/
作成日時:2019年8月25日 22時