誕生日の関係 ページ1
Aside
·
いつも通りの時間に、沖田さんは起きてきた。
相変わらずの眠気を押し出した格好で。
『おはようございます』
「おはようございまさァ」
くるくるの髪の毛、首から垂れ下がったアイマスク。寝起きのまま沖田さんは洗面所に向かっていく。
沖田さんとの
副長、土方さんの疑いも無事晴れ、私と沖田さんは平和に生活している。
全てはいつも通り。
いつも通りのはず、なんだけれど。
自分でもちょっとやばいと思う。
あの作戦の日以来、沖田さんにちょーっとドキドキしてしまうのだ。
理由はわかり切っている。
沖田さんの前で奇行に走ってしまったこと。
…川に突っ込むなんて行動、奇行以外にあるか！と思い出すとだいぶ恥ずかしい。
でも、後悔はしてない、つもりだ。
あれから沖田さんの悲しそうな顔は見ていない。きっとあの奇行のおかげだ、と信じている。
そう、彼は毎日ずっとポーカーフェイス。
だけど、と思う。
なんかしっくりこないのはなぜだろう。
『っと…、』
テーブルを布巾で拭いて、朝ごはんを並べる。
いつもよりちょっと豪勢なつもりだ。
テレビをつければ、にこやかに語るアナウンサー。
《おはようございます。七月八日、月曜日です》
＿＿＿七月八日。
今日は、沖田総悟さんの誕生日である。
沖田さんは、私より一足先に十九歳だ。
「おお、いつもよりなんか豪華？」
『そりゃそうですよ』
眠気をどこかにまとめて片付けてきた沖田さんがひょいとテーブルを覗く。
『沖田さん、お誕生日おめでとうございます』
沖田さんは形のいい目をぱちくり。
「あ、俺今日誕生日か」
『忘れてたんですか！』
間違えたかと思って焦ってしまった。
沖田さんはあー、十九か、と妙に感心していて。
「よく覚えてましたねィ」
『日頃お世話になってますから』
なにしろ、私の生活費は今、沖田さんの懐から出ていっているのだ。契約だからとはいえ、同い年の人にお金を使わせているのはちょっと申し訳ない。
『じゃ、食べましょう。ブラックコーヒーでいいですよね？』
「はい」
微糖のボトルコーヒーをコップに注ぐ。
自分の分は思いっきり甘くした。
沖田さんに渡して椅子に座る。
『いただきます』
「いただきます」
私はコップを持ち上げて声を上げた。
『改めまして！ハッピーバースデーです！』
「…ありがとうごぜェやす」
沖田さんも笑ってコップをあげる。
かちんとぶつけあった。
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みるくれーぷあいす(プロフ) - 麗桜さん» ありがとうございます。 (2019年10月25日 23時) (
レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
麗桜 - と〜っても面白いです！更新頑張ってください！ (2019年10月25日 19時) (レス) id: a174017b38 (このIDを非表示/違反報告)
みるくれーぷあいす(プロフ) - 麗桜さん» ありがとうございます！嬉しい限りです。マイペースな更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (2019年10月19日 18時) (レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
麗桜 - とっても面白いです！無理矢理原作に沿っていなくて，とても読みやすいです！更新頑張ってください！ (2019年10月19日 16時) (レス) id: a174017b38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるくれーぷあいす | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ykoma1218/
作成日時：2019年8月25日 22時
