ネ オ ン《桂小太郎》 ページ16
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ネ オ ン
桂小太郎
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Aside
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『いらっしゃいませー』
もうすぐシフトも終わるな、と時計を見た時に、サラリーマンが入店。
サラリーマンはまっすぐにビジネス書の棚のほうに向かっていく。
と、そこで、黒い長髪が姿を現した。
がらがらと新書の入った棚付きの台車を引いている。
「お疲れ様だ」
『お疲れ様です』
彼はそのまま台車を転がしていく。
黒い長髪の男__桂小太郎。
私と同じく、夜、この書店でバイトしている。
私よりひとつ年上、高校三年生。
少々おかしな喋り方をする、変わった人。
…私が知っている桂小太郎についての情報は、これくらいだ。
もともと、この夜の時間帯に入っていたバイトは別の人だった。彼女、猿飛さんも私よりひとつ年上の話しやすい人で。閉店ギリギリに本屋にやってくる人は少ない。金欠解消のために夜の時間帯をバイトに選んだ私は、それなりに楽に業務をこなしていたのだ。
が、およそ3ヶ月前のある日、猿飛さんは勉強に専念するとの事でバイトを辞めてしまい。
代わりに入ってきたのが、この桂小太郎さんだ。
『カバーはおつけしますか?』
「いえ、結構です」
本をそのまま袋に入れて、お金を受け取り、商品を手渡す。
『ありがとうございましたー』
スーツのサラリーマンに形だけのお礼を言って、見送る。サラリーマンはスタスタとお店を出ていった。
桂小太郎の第一印象、【変な人】。
店長に、今日から入ったバイトの桂くんですと紹介された時、正直私は目を疑った。
なんだそのロン毛、と。
客が少ないとはいえ、接客業だぞ。いいのか、その長髪。
しかし、店長は気に留めることなく、淡々と彼の紹介や仕事の説明が行う。
桂さんはその話を聞き、エプロンを身につけた。
『今日からよろしくお願いします』
「こちらこそよろしくな」
バイト歴でいえば私の方が上なんだけど、桂さんの方が年上だったので、敬語で挨拶した。
桂さんは頷いて。
時々桂さんに仕事を教えながら、私はバイトを続けていった。
桂さんが空になった台車を引きながら、再び私のいるレジの前を通り過ぎていく。
桂小太郎の今の印象、【意外と真面目だけどやっぱ変】。
桂さんはすぐに仕事を覚え、そして丁寧にこなしていった。本の整理や追加、掃除、レジ。問題なくこなしていく。変わった見た目してるけど超真面目。
でも、時々意味もなくモップを振り回していたり、時計の針をじっと見つめていたりするから、やっぱり変だ、とも思った。
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みるくれーぷあいす(プロフ) - 氷華さん» ありがとうございます!嬉しい限りです! (2019年12月25日 16時) (レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 神威君ーーーーーーーーー! この小説いいね♪ (2019年12月25日 12時) (レス) id: e5c89771f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるくれーぷあいす | 作成日時:2019年8月27日 1時