コ コ ロ 4 ページ34
Aside
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ずっとこのまま手を繋いでいたいな、なんて願ったものの、改札を出て人通りが少し少なくなると、あっさりと桂くんは手を離してしまった。ああ、やっぱりそんな感じですよね。
「…どうした？」
『いや、映画楽しみだなって』
ショッピングモールに入り、何となく歩く。
桂くんをじっと見ているのがバレてしまったようでこっちを見る。
「！だな、俺もずっと映画のことを調べていてな。大丈夫だ、ネタバレは読んでないぞ。昨日もついうっかりそのせいで夜更かしを…」
嬉々として語り出したけど、突然言葉を止めてしまった。
『どうしたの？』
「いや、何でもない。…腹が減ってはいないか？」
『あ、うん、お腹すいたね。どっか食べに行こうか』
桂くんは何故か私から目を逸らして前を見る。どうしたんだろう。そんなにアホみたいな表情してたのかな？
「甘いものが食べたい気分なんだが…そうだ、あそこはどうだ」
桂くんが指さしたのはなんかオシャレなパンケーキ屋さん。いわゆる《いんすた映え》しそうな場所だ。
『おいしそう！でもいいの？結構女子が多そうだけど』
店内の様子を覗いてみると、カップルや女子グループが多く、けっこうキラキラしている感じだ。私がいつものぶたすと行ってる雑多なファミレスとは大違い。
「Aがいいなら構わんよ」
『…へっ、うん、行きたい、な』
あれ、桂くんって私のことAって呼んでたっけ？というか、なんて呼んでたっけ？
「おお、よかった」
桂くんは堂々とドアを開けて入店。いらっしゃいませー、と店員さんが迎え入れてくれた。
もう、桂くんの、この人の一言で、私の心はジェットコースターのように上下してしまう。桂くんは、私の行動をどう思ってるんだろう。
店員さんに連れられ、前を歩く桂くんの表情は見えない。わかんないなあ、と思わず呟いた。
***
「お待たせしましたー、ラブラブビッグパンケーキでーす」
…、桂くん、なんでこれ注文したの。
何段にも積み重なった大きくて甘そうなパンケーキはいわゆるカップル限定商品で、二人でひとつだそうだ。確かこの店はチェーン店で、うちの高校の近くにもあった。
桂くんが真っ先に「これはおいしそうだな、食べてみないか？」と言ってきて、特にメニューも見出なかったバカな私は『あ、いいよ』と答えてしまったのだ。
「おお、やはり美味そうだ」
『そうだね』
いや、わかっててもきっと断れないなあ、桂くんのこんな嬉しそうな顔見たら。
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みるくれーぷあいす(プロフ) - 鈴神さん» 嬉しすぎるコメントありがとうございます！これからも鈴神さんにそう思っていただけるよう頑張ります！よろしくお願いします。 (2019年8月24日 13時) (
レス) id: 0de76de774 (このIDを非表示/違反報告)
鈴神(プロフ) - こんにちは！突然ごめんなさい(汗 作品読ませて頂いたんですが、一人一人の気持ちがとても丁寧に書かれていて一つ一つの話にすごく惹かれました！！ほんとに素敵なお話ばかりなのでこれからも応援してます！頑張ってください！！ (2019年8月24日 1時) (レス) id: de3968cf62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるくれーぷあいす | 作成日時：2019年8月13日 1時
