ヘタレな俺の恋愛日記《雪村豹牙》【完】

３９頁(雪村side) ページ40

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雨に濡れてびしょ濡れのまま、俺は空港のエントランスに突っ込む。




そして、Aが今まさに搭乗口に入ったのを確認して、俺は




豹牙)「Aっ！！！！！」




と声を張り、搭乗口ギリギリに駆け寄る。




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その瞬間



あ)「……っ……」



Aが立ち止まって、振り向いて俺を確認して、目を見開いたのが見えた。




あ)「どうして…」




そして、驚いたように顔を強張らせた。




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けれど、神様は意地悪だ。



“アメリカ行、まもなく出発します”無慈悲にもアナウンスが鳴り渡り、Aとゆっくり話す時間なんて残してくれない。




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言いたいことがたくさんあるのに…。




伝えたいことがたくさんあるのに…。




もう時間が…。




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何もいえずに、ただ、Aを見るしかない俺に




あ)「見送りありがとう」



そういって、悲しそうに微笑んでAは、名残惜しそうに、俺をちらりと見て、先に入っていた両親のもとへと歩きだす。




その後ろ姿が今まで以上に頼りなくて…。




豹牙)「待ってる！」




俺は、Aの後姿にただ一言、そう言葉をかけた。

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