ヘタレな俺の恋愛日記《雪村豹牙》【完】

３４頁(雪村side) ページ35

豹牙へ



こうやって、改めて手紙を書くのって、なんだか、恥ずかしいね。




この手紙を豹牙が読んでいるっていうことは、どうにかこうにか私は豹牙にこの手紙を渡せたことになる。




けれど、どうやって、豹牙の手元に言ったかな？




まぁ、直接ってのはたぶん無理だから、きっと誰かに渡してか、それか、郵便で後からっていう線もあるな…。



で、どっちだった？




そんなどうでもいいことは、置いといて、この手紙を読んでいるっていうことは、きっと私がアメリカに行くって伝えた後か、それとも、行ってしまった後か…。




それは置いといて、先に本題に入ろうかな。




最初にいっておくと、この手紙を書いたのには、豹牙に伝えたいことがあるからです。



まず、一つ目です。



まず、一つ目、この前の帰り道、嘘ついちゃってごめんね。



やりたいことができたときって話、あれ、本当は親戚の話じゃなくて、私の話なの。




実はね、私、ずっと前から、アメリカで英語の勉強をしたいと思ってたの。




私、豹牙みたいに、あんまり頭がよくないでしょ？




けど、ずっとやってみたかったことだから、必死に、お母さんとお父さんに、お願いしたの。




そうしたら、この前、お父さんの転勤先がアメリカになって、最初は、お父さんだけの単身赴任って話だけど、私も、ずっとアメリカいって勉強したかったから、必死に説得したの、『いい機会でしょ？』って。





最初は二人とも、首を縦に振らなかったけど、ついに二人とも折れてくれてね…。




でも、そのとき、条件が出された。




『ついてきていいかわりに、アメリカにいる間、日本にいる人との連絡を一切取らない。』ってね。




『日本にいる人との連絡を取ってしまったら、失敗したときの逃げ場になってしまうから』とも言われた。




確かにそうだな、って思った。




だから、私がこうして豹牙に手紙を書くのは、これで最後だと思う。





・




・





そこで、一枚目が終わっていた。




豹牙)「……」




俺は二枚目を静かにめくる。

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