ヘタレな俺の恋愛日記《雪村豹牙》【完】

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キーンコーンカーンコーン




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豹牙)「ふぅ…ギリギリセーフ…」




チャイムギリギリ滑り込み。




俺とAの運命を狂わした日。





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あの日は、朝から、雨が降っていた。





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豹牙)「はぁ…」




と雨が、ガラスにあたっているのを聞きながら、俺はというと、カバンから、教科書類を机の上へ置いていく。




そんなことをしていると




「豹牙が、チャイムぎりぎりとか珍しいな」




と俺の机の前に座っている友人が、愉快そうに、俺を見てくる。





豹牙)「うせ、たまには、そんな日もあるんだよ」





我ながら不機嫌な声が出ていると思う。




すると、友人は




「ははぁ」





となぜか、にやにやしだす。




豹牙)「んだよ？」




と俺がそう問えば




「今日、咲村はどうしたぁ〜？」




とさらにニヤニヤしだす。




豹牙)「わからない…」




と俺は、突き放つようにいう。




今日、一番触れられたくない話題かもしれない。




「いつも、一緒に来てるのにな？なに？ケンカ？」




豹牙)「違う…」




ふてくされながら、俺は、カバンにいれてあったタオルを取り出す。




豹牙)「Aがいつもの待ち合わせ場所に来なかったんだよ…」




我ながら不機嫌な声が出る。




そう、俺は、いつも通り、Aとの待ち合わせ場所で待っていた。




前日も特に、遅くなるとか、今日も、休むとかいう連絡が入っていなかった。




なのに、Aは、姿を現さなくて…。




ついには、雨まで降りだして、傘を持っていなかった俺は、仕方なく、学校にダッシュで向かったのである。




そんなことを考えていると




「で、置いてきたのか？」




なんて、失礼なことをいう。





豹牙)「電話しても出ないから、メールに“先に行ってる”って連絡いれた」





ととりあえず反論しておく。




するとやつは




「そうだよな〜。雪村くんが、咲村置いてこれるわけないもんなぁ〜」




なんて、いうわけで…。




豹牙)「……」




とりあえず、俺は奴を、軽く睨み返す。




すると、奴は、参った参ったとばかりに




「本当、今日すごい雨だな」




両手を上げて窓の方を見る。




豹牙)「そうだな…」




俺も、友人の視線を追うように窓ガラスを見る。




すると、雨が激しく窓ガラスを叩いていて、振付ける雨がなんだか、不吉だったのを今でも覚えている。

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