ヘタレな俺の恋愛日記《雪村豹牙》【完】

２６頁(雪村side) ページ27

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そして、今だ。




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あ)「……」




豹牙)「……」




明らかに様子がおかしい。




いつもだったら、他愛もない話をして帰るところなのに…。




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あ)「……」




豹牙)「……」




なんだ？




この沈黙。




重すぎる。





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本当、A、どうしちゃったんだよ？





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俺は、小さく深呼吸。




意を決して口を開く。




豹牙)「……あのさ」





そう口を開きかけたとき




あ)「豹牙さ…」




とAに名前を呼ばれる。




豹牙)「へ…？あ…うん？」




予期しないAの呼びかけに、俺はとっさに反応できず、そんなことしか言えない。




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けれど、Aはそんな俺に構わず続ける。




あ)「豹牙が、もしさ、自分のしたいことがあって、そのしたいことができるチャンスが舞い込んできたときにさ…」




唐突に、そんなことを言い出す。




豹牙)「うん」




そう相槌を打つもののAの様子がどこか変だ。




あ)「しかも、それをするためには、ものすごい努力が必要でさ…」




そういっているAはどこか遠くを見ているようで…。




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豹牙)「うん」




ただ、こんな相槌しか出てこない。




あ)「もしかすると、挫折するかもしれないし…」




豹牙)「うん」




あ)「それに…」




そういって、Aは、俺を見る。




あ)「それに…、今まで自分を取り囲んでいた環境にさよならしないといけないとしたらどうする？」




その眼は、真剣そのもので…。




豹牙)「それは…」




そういって、俺は考える。




どうしてもやりたいことができた場合、俺は、いったいどうするだろうかと。

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