ヘタレな俺の恋愛日記《雪村豹牙》【完】

１０頁(雪村side) ページ11

・




・




・





・





吹雪)「で？Aちゃんと、何、話してたの？」




豹牙)「…ちょ…」



俺が、グランドに入るなり、吹雪先輩は、さわやか笑顔を浮かべながら、問うてくる。




豹牙)「…聞こえてたら、どうするんですか？」




そういって、ひやひやしながら、Aの方を見ると




豹牙)「…ほっ…」



ベンチの方で、何やら、忙しそうに働いていた。




そうして安堵していると




風丸)「大丈夫だ、雪村は、Aになんとも思われてないから」




豹牙)「うっぐ…」




雪村豹牙、痛恨の一撃を食らう。




これは、かなり、効いた。




風丸さん、実は、Ｓだろ？



そうだろ？




風丸)「…今、失礼なこと考えなかったか？」




豹牙)「…めっそうも、ございません」




危ない、危ない。




そんなことを考えいると気を取り直したように




風丸)「まぁ、いいか。それより、Aちゃんと進展する方法を思いついた」




風丸さんは自信満々に、人差し指を上げる。




豹牙)「は？」




吹雪)「いや、だから、雪村とAちゃんと進展する方法を思いつい…むぐっ」




そう言いかけた、吹雪先輩の口元を俺は、




豹牙)「…聞こえたら、どうするんですか！？」




両手で塞いだ。




風丸)「だから、雪村は、Aちゃんに、なんとも思われてないから、大丈夫だって！」





豹牙)「……」




それ、フォローになってないし、むしろへこむって…。




ったく…この人たちは…。




言い返す気力もなく、俺ががっくりとうなだれていると




風丸)「簡単な話、雪村がAちゃんを押し倒しちゃえばいいんじゃないか？これで、進展間違いなし。さっき、グラウンドで、吹雪と話していたんだ」




風丸さんにかけられたのは、こんな言葉。




もちろん、俺は




豹牙)「却下です」




即答。




豹牙)「……もういやだ…」




何を考えてるんだ？




この人たちは…。

１１頁(雪村side)→←９頁(雪村side)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す