幼なじみ、それ以上は…？ (ページ12)

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「合コン…？」

「そー、俺もAも独り身じゃん？だから仲良く恋人探しに行こうぜ」

ざわと彼女が見事に付き合い始めた頃にはてつやもすっかり立ち直ったらしく、満面の笑みを浮かべながら私を合コンに誘ってきた。

「行かない」

万年盛ってるお前と違ってコッチは健気に何年もあんたを想い続けてんだよ。

「お願い！一生のお願い！」

「行かない。あんたの一生は何回あんのよ」

「A～」

行かない。そう言ったのに。

「Aちゃんはてつやと幼なじみなんだ？」

「そーっすね」

結局断りきれなかった。
不貞腐れて酒を飲むことだけに集中してる私だったけど、さっきから一人の男が異様に話しかけてきてうざい。

てか察しろよ。話しかけんなオーラだしてるだろ。

「Aとは幼稚園の時からずっと一緒なんだよなー」

既に酔いだしたてつやが私達に割って入るように大声でそう言い女の子の一人がして欲しくない質問をてつやにした。

「えー、じゃあてつやくんAちゃんといい感じになった事とかあるのー？」

そんな事聞くなよ、ブス。

周りの奴らが恋愛ドラマみたいーとか騒ぎ立てる。…うぜー、黙れ。

もう答えるな。そうてつやに目で訴えた私だけどてつやは酔って私の視線に気づく様子もない。

「Aと？ないない、絶対ない。せフレならいいけどまず俺煙草吸う子駄目だし」

ギャハハと下品な笑い声があがり、私は傷つくとか、怒るとか、そんなの通り越して最早若干冷静だった。

でもやっぱりムカつく。

てつやをぶん殴ってやろうかと思ったけど、押し殺し嫌味のつもりで煙草に火をつけてやった。

「私こそ不潔男は勘弁」

本当、ムカつく。

こんな時泣いてしまえれば可愛い子を演じられるのに。どうして私は可愛くない答えしかできないんだろう。

その夜、私は合コンで異様に話しかけてきた男と寝た。てつや以外の初めての男だった。