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金澤先生の彼女さんは人見知りせず明るい、柔らかな雰囲気をもつ女性だった。
やっぱり彼氏の知らない一面を知りたいみたいで彼女は金澤先生の教員時代にかなり興味があるらしい。
「虫くんって教員時代どんな感じだったんですか？」
「えっと…」
言い淀んでしまう私。
すると、彼女さんの隣に座る金澤先生が口を開いた。
「もう、あまり聞くなよ。すぐ辞めたからあんま思い出もないよ」
「いいじゃん！もう！」
そう言って口を膨らませる彼女はとってもかわいい。
「生徒から慕われる良い先生でしたよ」
「へー、虫くん慕われてたんだ」
「うるさい」
嫌そうな割に優しい声色に胸が少し締め付けられる。
私にはそんな表情も、声も見せてくれないんだって。彼女でもないのに、少し嫉妬してしまう。
そんな醜い感情なんて全く気がつく様子もない彼女が私の方へ顔を向け、視線が合う。
「Aさんはてつやさんとお付き合いしてるんですか？」
突然の質問に戸惑ってしまった。
てつやさんと私は確かに側から見れば付き合っているように見えるのかも。
けれど、てつやさんはそんな事考えてるはず無い。
「ぁ…？えぇっ、そんな訳ないですよっ…私なんて勿体無い、です」
「えー、俺はいつでもウェルカムっすよ」
「お似合いですよー！それかもしかして他に好きな人でもいるんですか？」
笑顔で私に言うてつやさんに少し緊張が解れたのも束の間、彼女のその質問にピシッと体が固まってしまった。
「ぃぇ…いないですよ」
あなたの彼氏に片想いしてます。なんて言える訳もない。
すると、ずっと黙っていた金澤先生が口を開いた。
「そう言えばさAって昔俺に告白して来たことあったよね」
「え？」
「ぇ…」
私たちの空間だけが一気に静寂に包まれるのを感じた。
彼女は困惑している様子で、てつやさんも少し驚いている。
「まあ過去の話だけどね。もう俺の事は好きじゃないって言ってたし。ね、A」
けれど、そんな空気を全く気にせずに話す金澤先生に、私はこの空気をどうにかしないと行けないと慌てて言葉を返したけれど。
「ぅ、うん…ごめんなさい、こんな話、えっと…」
勿論上手い言葉など見つかるはずもなかった。
折角の時間が。私のせいで壊れてしまう。
でも、どうすることも出来なくて、下を向いてしまう私。駄目なのはわかっている。
だけど、顔を隠さないと、泣いてしまいそうだったから。
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heaven(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» コメントありがとうございます。あまり虫さんとのシーン少なかったのでどうかなと思ったんですが素敵なご感想頂きとても嬉しいです！ありがとうございます。 (2020年4月12日 20時) (
レス) id: 3bd3245a05 (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 完結おめでとうございます！まさかの最後でした…。すごく面白くて、とても深いなと感じました！素敵な作品をありがとうございました！ (2020年4月12日 7時) (レス) id: 534e341e06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：heaven | 作成日時：2020年4月4日 9時
