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あの日、金澤先生との再会して以降、私が金澤先生に会う事は一度もなかった。
勿論期待していた訳ではない。
まあ、連絡先の交換くらいは出来るかなって…少し思ったり。
でも何もなかった。
文字通り何も。
あの日、私が誘ったのに食事代だけではなくタクシー代まで奢ってくれて。
金澤先生は本当に優しくしてくれて。
私が声を出す前にあっという間に手配を終わらせていて。連絡先も交換する暇もないくらいで、気づいたら家に居た。
だけど、その優しさは、これ以上近づいてくるなと言う線引きにも感じて。
少しだけ、虚しい。
「やっぱり私なんて…」
ああ、駄目駄目。ネガティブな私が出てきちゃう。
このまま家に居ても駄目だ。外に出よう。
そう家を飛び出した私だけど…。
「あ、すみません！」
「ぇ…えっと…どちらさま、でしょうか…？」
家を出ない方が良かったかも。
道端で、突然知らない派手な格好の男性に話しかけられたからだ。
私、何かしてしまったのだろうか。
怖くなって俯き服の裾をぎゅっと握り締めると慌てたように男性が体の前で大きく手を振った。
「あ、その！ボク虫さんの知り合いで、てつやって言います」
「ぇ？虫…あ、金澤先生の…はじめまして、Aです」
金澤先生の名前が出てきたので少し安堵した。
「ごめんなさい、怖がらせちゃったみたいで」
「あ、いえ…こちらこそです」
金澤先生とはまるで正反対のオレンジ色の髪のてつやさんは、金澤先生と同じグループのリーダーだそうだ。
この前の撮影で私に写っていいかの許可を貰い忘れたから声をかけたみたい。
少し怖い見た目だけど話してみるととても好青年な感じで、人嫌いしない人なんだろう。
気がつけば連絡先も交換していた。
「すみません、引き留めちゃって」
「こちらこそですよ。…ぁ、あの…「何してんの」ぁ…」
金澤先生によろしく伝えておいて下さい。
私の言葉を遮るように登場したのはその言葉を伝えて欲しかった相手。
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heaven(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» コメントありがとうございます。あまり虫さんとのシーン少なかったのでどうかなと思ったんですが素敵なご感想頂きとても嬉しいです！ありがとうございます。 (2020年4月12日 20時) (
レス) id: 3bd3245a05 (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 完結おめでとうございます！まさかの最後でした…。すごく面白くて、とても深いなと感じました！素敵な作品をありがとうございました！ (2020年4月12日 7時) (レス) id: 534e341e06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：heaven | 作成日時：2020年4月4日 9時
