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駅を離れ早足に私の手を引き歩くてつやさんに、あの日の金澤先生の後ろ姿を思い出した。
いつも私を庇って気にしてくれた金澤先生。
『何かあったら僕にいいな』
そう言って私に笑いかけてくれた彼は、唯一の同期で、お互い帰る方向も一緒で、私たちが仲良くなるのは自然の事だった。
けれど、一部の生徒たちはそれが気に入らなかったらしい。
はじめは些細なことで、生徒の反応がなかったときは聞こえなかったのかな？なんて自分の中で処理していたのだけれど、次第に生徒から完全に無視されるようになり、教壇に立つとヒソヒソと聞こえる笑い声。
それでも、いつかなくなるって信じて誰にも言わなかったけれど、心は辛いままだった。
そんな時、金澤先生は落ち込んだ私に気がついたみたいで初めて呑みに誘ってくれた。
「何かあったら僕にいいな」
そう私に言ってくれて、私は頷いたけれど、結局は何も言えなかった。
金澤先生には心配をかけたくなかったから。
呑みに行った次の日、学校へ行くと何やらざわざわしていて、教室に入ると一気に静寂。
睨み付けるように私を見る女子生徒と、ニヤニヤと笑う男子生徒達。
「先生ー、金澤先生と寝たんすかー？」
「え…？」
耳を疑うような言葉に驚きチョークが床へと落ち、クスクスと聞こえる笑い声。
黙る私に一人の生徒が見せてきた写真には、昨日の私と金澤先生の姿。
「黙るって事は」その言葉に次第に大きくなる生徒たちの声。私はどうする事もできないまま。
もう限界だったのかもしれない。
焦ってパニック寸前になったのか、私は息の仕方がわからなくなってきて、人生で初めて過呼吸を起こし倒れ、先生教諭が来るまでの間、この地獄のような空間は続いたままだった。
病院に行くと、ストレスの溜めすぎだと言われてしまい、学校や、親とも相談して私は、そのまま教員を辞めた。
「金澤先生…私、あなたの事が好きでした」
最後の日、私は金澤先生に一方的な告白をして。
ろくな答えも聞かないまま逃げ出したのだ。
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heaven(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» コメントありがとうございます。あまり虫さんとのシーン少なかったのでどうかなと思ったんですが素敵なご感想頂きとても嬉しいです！ありがとうございます。 (2020年4月12日 20時) (
レス) id: 3bd3245a05 (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 完結おめでとうございます！まさかの最後でした…。すごく面白くて、とても深いなと感じました！素敵な作品をありがとうございました！ (2020年4月12日 7時) (レス) id: 534e341e06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：heaven | 作成日時：2020年4月4日 9時
