やめて ページ24
＊
Aは医務室のベッドで目覚めた。
カーテンが締め切られたわたしのベッドは、やけに大きく感じた。
辺りはしんと静まりかえって、外が青白く光っているため、まだ夜なのだろう。
Aは覚えている。
夢ならば良いか、などという甘えた前置きをし、あのトム・リドルに何を伝えようとしたかを。
「…は、は、サイアクｯほんと、なにやってるわけ」
声は掠れ、震えていた。
トム・リドルが人を愛することはない。
そんなこと、マートルが殺された日から、ずっと、ずっと、ずっと分かっていたはずなのに。
気まぐれで助けられ、気まぐれにそばに置かれ、気まぐれに恋愛の疑似体験ような真似をされ。
彼に堕ちていくわたしはとても愚かしく、可笑しく見えていただろうな。
特に暖などのない石造りの医務室は、私の頭を冷やすのにはちょうど良かった。
私は彼に唯一の友を殺されたのだ。
ああ、なんで忘れていたのだろう。忘れたかったのだろうか。
いくら最初は脅されていたとは言えど、怒りはあったはずなのだ。いつか寝首をかいてやろうという怨みくらい、あったはずなのだ。
それは、彼に対する恐れでも彼からの洗脳でもなく、ひたすらに自分の弱さだった。
私は猛烈に後悔した。
今すぐにでも、ダンブルドア先生と会ってお話がしたい。
愚かなAの罪とトム・リドルの罪を告白しなければ。
ベッド付近に自分の靴は見当たらなかった。
静かにカーテンを開け、誰も居ないことを確認し、医務室を抜け出した。
裸足で歩くには冷たすぎる廊下を、できるだけ音を立てないように、歩いていく。
ダンブルドア先生に会わねばならない。
Aはこのままリドルに踊らされるのみならず殺されると直感していた。
彼がまだ遊べると思っている今のうちに、と考えていた。
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ゆうき - ｍさん» ありがとうございます。本当に更新してすぐにコメントをいただいて、こちらこそ驚いて嬉しさのあまりしばらく放心しておりました。大好きだと言っていただけるだけで、私がこの作品のページに戻ってくる意義があるのだと思えます。すごく励みになります。 (10月16日 22時) (
レス) id: 1fbbc65eb3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき - あまねさん» ありがとうございます！止まっていた筆を取るには充分な言葉でした。すごく力になりました。 (10月16日 22時) (レス) id: 1fbbc65eb3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき - ʓ Ɩ ıさん» ありがとうございます。自分の文字を好きと言っていただけるだけでも嬉しい限りです。更新が本当に遅くなってしまって申し訳ないです。本当にゆっくりとになるとは思いますが、どうぞお付き合いくださいませ.., (10月16日 22時) (レス) id: 1fbbc65eb3 (このIDを非表示/違反報告)
ｍ(プロフ) - コメント失礼します。更新、本当に本当にありがとうございます。驚いて思わず声が出てしまったくらいには嬉しかったです。これからもずっとずっと、この大好きな作品を応援しておりますので、少しづつでもいいので楽しく、作品活動を続けていってくださると嬉しいです。 (10月16日 21時) (レス) @page23 id: 87bc4141db (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - いやあいしてる (9月10日 11時) (レス) @page21 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうき | 作成日時：2018年1月3日 15時
