ぜんぶ、おかえり。 ページ42
「…あ！」
ハッと玄関まで慌てて走る。
ドアを開けるのと同時に
「ごめん
って言ってる途中で抱き締められた。
「……＾＾」
KH「ごめん(汗)」
「…おかえり。」
体が離されて、
自然とキュヒョナの顔を見上げたら
「んっ」
すぐに唇を塞がれる。
「…っ」
玄関で壁に押し付けられながら、
キスに応える…。
KH「会いたかった…」
そう言ってわたしを思いっきりぎゅっとした。
ほんの数時間前に離れただけなのに、
「会いたかった」とたった一言話したキュヒョナの声が泣きそうに聞こえた…。
「…うん…＾＾」
わたしもキュヒョナの背中に腕を回す。
ちゃんと帰って来た。
キュヒョナの腕の中でキュヒョナの匂いを
目一杯吸い込んでたら、
KH「………」
体がまた少し遠くなって
わたしの顔をじーっと見つめるキュヒョナ。
「………？(汗)」
KH「帰って来ないと思った…？」
と、心配そうにわたしに聞く。
「………」
KH「…ん…？」
わたしの首筋に温かい手で触れる。
まるで猫みたいにその手にうっとりする。
「…久しぶり…過ぎて…」
KH「…？」
「どうやって待ってたかな…とか…忘れちゃった…」
自分でも、何を言ってるのか、何が言いたいのか
わからない…。
「………」
もどかしさに俯いてパチパチ瞬きをしたら、
KH「ただいま…」
って言って、首筋の手がわたしを引き寄せる。
「…ん…」
小さな声が漏れて、次の言葉が溢れる前に
キュヒョナの唇に掬われた。
KH「…ベッド…行く…？」
耳元で甘く囁くから、
身体がゾクっとして、甘く痺れた。
KH「ぁ…でも…先にシャワーしたい…」
甘い空気にどっぷり浸かってた心と身体が
現実の空気に触れて自分を取り戻す。
「……」
顔に残念って書いてあったと思う。
KH「…一緒に入る？＾＾(笑)」
「…もう入ったもん。ベッドで待ってる…。」
KH「絶対寝ないでね。」
「…(笑)」
ベッドでキュヒョナを待つ間にふと思ったのは…。
こんなに胸が苦しいのは、
ほんの少しのことで泣いちゃいそうに
なるのは、
2人にまた…こんな時間が訪れたから…。
2人がまた、2人に戻ったから…。
声が聞けて、
見つめ合うことが出来て、
触れることが出来る…。
それがわたしは今、堪らなく嬉しくて、
堪らなく愛おしいんだ…って納得しながら
泣きそうになる。
「おかえり」
キュヒョナも、この時間も、ふたりも、
ぜんぶぜーんぶ、おかえり。
ベッドに近づく足音に心臓が壊れそうになる…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 862人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ally(プロフ) - し大好きなお話です、ギュとヌナが色々あったけどまた戻れてよかった(*´∀｀)梨子さんおつかれさまでした、ありがとうございました(^人^) (2016年10月18日 10時) (
レス) id: f3315582c7 (このIDを非表示/違反報告)
しぃ(プロフ) - 感想を、すごくすごく感想をお伝えしたいのですが、だめでした。言葉に出来ませんでした。すごくすごく大好きなお話で、読んでてすごく辛かったけど、本当に大好きなお話でした。ありがとうございました。涙 (2016年10月18日 3時) (レス) id: 7810b28ece (このIDを非表示/違反報告)
みみもも(プロフ) - またくっついてよかった〜！！ありがとうございます^^ (2016年10月17日 17時) (レス) id: 4279d10aea (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - やっとぎゅちゃんの安らぐ場所、ヌナの安らぐ場所を確保しましたね（≧∇≦） (2016年10月17日 16時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
かお(プロフ) - 梨子さん、更新ありがとございます。ずっと待ってました。この二人が大好きで、幸せになってほしいです。続きも楽しみにしてます。 (2016年6月6日 6時) (レス) id: 705b795401 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
