１４４小節目 ページ21
『本当だ気付かなかった』
「ちょうど近くにカフェ出来たみたいだからそこで良い？」
『うん！』
昼下りということで人も更に増えてきてどこもかしこも賑わっている。カフェに入れるか不安になりながらリードさんの後を追った
「Aちゃんはぐれないように手ぇ………はやめとこうか…こ、子ども扱いだよね…」
『…別に、いいけど…』
「あぅ…僕が無理…」
『む…』
「…わっ！」
リードさんのショルダーバッグの紐を掴んで、ぐいっと自分の方に寄せる。認識阻害メガネのおかげか誰も私たちの方に見向きしない
『じゃあ迷わないように、ここ掴んでて…いい？』
「っ！…〜〜っ！！………いいよ」
『えへへ…ありがとう』
カフェに行く中、お互いに何も話しかけないでただ無言の時間が過ぎていく。…過ぎているだけなのに幸せでいっぱいになってる自分がいた
うっぐ…ひっく…
『…！』
泣き声…？声の高さ的に小さい子どもの声だ。聞こえる方に顔を向けると人混みの間から一瞬見えた。建物の隅っこでうずくまって泣いている少年が。
『…』
「どうした？」
『あ…いや、なんでも』
きっといつかスタッフさんが対応してくれるはず。私が声をかけても怖がらせちゃうだけだ
……違うな。今の幸せなリードさんとの時間を自分から終わらせたくないだけ。
でも皆許してくれるだろう。だって…
＿＿悪魔は他者への情が薄くて当たり前なんだから
「ママ…パパ…どこなの…？…ぼく…ひとりはこわいよぉ……」
『っ！！』
「！Aちゃん！？どこ行くの！？」
その言葉は、ズルいじゃん。
『そこのあなた』
「ひっ…！」
誘う時は目線を合わせて…優しく紳士的に…
『お姉さん迷子で不安なんだ。ちょっと一緒にいてくれないかな…？』
「……」
少年は目を見開いて固まってしまった。あはは…流石にこの言い方は無理があったかな…
「…おねーさんも、まいごなの…？」
『うん…お恥ずかしいことに…』
「……じつは…ぼくもなの……えへへ…おそろいだね…」
『！…そうだね』
笑ってくれた…！第一段階クリア…あとはこの子のご両親を見つけるだけ。とりあえず一回リードさんには連絡しておこう
ぎゅっ…
「…ママとパパ…見つかるかなぁ…」
『…』
バッグから手のひらサイズのペロペロキャンディを取り出して少年にあげた
『今おまじないをかけたから、そのキャンディを舐め終わる頃には必ず見つかるよ』
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朱莉(プロフ) - 無名さん» 素敵な栄養素(？)になれたようなら幸いです！読んでくださりありがとうございました！ (2月10日 0時) (
レス) id: 261ca3b085 (このIDを非表示/違反報告)
無名 - とっっっっっっっても！尊かったですぅぅぅぅぅぅぅぅぅ、、、 (2月4日 18時) (レス) id: bbcbdad659 (このIDを非表示/違反報告)
無名 - ありがとうございました スゥゥゥゥゥハァァァァァァ となりますた☆ (2月4日 18時) (レス) @page46 id: bbcbdad659 (このIDを非表示/違反報告)
朱莉(プロフ) - 推しが尊いさん» わぁ！そう言って頂けて嬉しいです！ありがとうございます！！ (8月24日 22時) (レス) id: 261ca3b085 (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊い - 最後のリードくん神でした! (8月24日 18時) (レス) @page46 id: 244dfc2dc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱莉 | 作成日時：2022年12月2日 0時
