１３９小節目 ページ15
『…私ね、ジャジーさんには感謝してるんだ』
「え…？」
なんの脈絡もなしに突然言われた。
スプに向かっていた視線をムルムスに移動させるとそこには見慣れた幼い子どもみたいな純粋な横顔があった
『こうやって月越しを誰かと過ごすなんて本当に久しぶりで。ジャジーさんがシンユーなのはわかってるけど…家族、みたいで』
「…」
『私ずっと…お兄様が欲しかったの。優しくて一緒に居てくれるお兄様。…私が勝手に思ってるだけだしジャジーさんにとっては不服かもしれないけど…
いつもこうやって一緒に居てくれてありがとう』
かくん…と頭が下がってムルムスはそのまま寝息を立てて寝てしまった。自分は床に降りて首が痛くならないようにソファーに横にしてあげた
…右手の指輪を外して初めて手の全体でムルムスの頬に触れる
「…俺だって感謝してるよ。…言ってなかったけどさ、収穫祭本番でお前を見たとき安心したんだよ。魔界に居るのは…汚い悪魔だけじゃないって再認識させてくれてさ…」
他にも沢山感謝してるし尊敬だってしてるんだぞ。だからムルムスの恋が成就するのを応援してやりてぇ。そう思ってる。
…頑張ってる姿を見てるとフッたリードが悪に見えてきて…モヤモヤすんけど…
「…あれ…」
モヤモヤの正体…なんで…
「…ぷっ…あはははっ！！！」
あんだけ悩んでたのにあっさり解決しすぎだろ。
てか、くだらねぇ理由で俺ずっとモヤモヤしてたんだな。なんだよフッたリードが悪に見えるって。幼稚園生かよ俺は。
「ひぃ〜〜……」
笑いが落ち着いてから改めてムルムスを見る。…そうだこんな顔だったな。アホ面でちょっと貴族の気品があって整ってる純粋な幼い顔。全く…
「本当にお前は…俺の妹みたいだな。……A」
――――
〈Aside〉
『ふぁ…ぁふん』
目が覚めると窓の外からは温かい日の光が差し込んでいた。完全に朝だ。昨夜の記憶が無い…から寝落ちしたのか。
『…じゃあなんで私は今自分のお布団で寝てたんだ…？』
周りを見てみるとドアになにか書いてある紙が貼ってあることに気付いた。
お布団から起き上がって文字を読んでみるとそこには
寝落ちされたから勝手に運んだ。悪い。じゃあ帰る。ありがとな。
PS.魔ーケストラは録画しといた
と雑に書いてあった。この筆記体は…
『えへへ…ありがとうジャジーさん』
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朱莉(プロフ) - 無名さん» 素敵な栄養素(？)になれたようなら幸いです！読んでくださりありがとうございました！ (2月10日 0時) (
レス) id: 261ca3b085 (このIDを非表示/違反報告)
無名 - とっっっっっっっても！尊かったですぅぅぅぅぅぅぅぅぅ、、、 (2月4日 18時) (レス) id: bbcbdad659 (このIDを非表示/違反報告)
無名 - ありがとうございました スゥゥゥゥゥハァァァァァァ となりますた☆ (2月4日 18時) (レス) @page46 id: bbcbdad659 (このIDを非表示/違反報告)
朱莉(プロフ) - 推しが尊いさん» わぁ！そう言って頂けて嬉しいです！ありがとうございます！！ (8月24日 22時) (レス) id: 261ca3b085 (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊い - 最後のリードくん神でした! (8月24日 18時) (レス) @page46 id: 244dfc2dc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱莉 | 作成日時：2022年12月2日 0時
