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『キルア』
「え、あっA兄?!」
ネテロと別れた後、次の目的地まで幾分あると思い立ち
飛行船内にある弟の気配を追うと、当の本人は自分の姿を見ると驚いた後青ざめていた
『はっ、大丈夫。会長に用あって来ただけ、連れ戻す気なんてないから』
俺はね。
大事なところは敢えて言わなかったが、キルアはホッとしたように肩を下ろしていた
安心させてやるが為、弟の頭をそっと撫でてやればキルアはその幼さ残る表情を和らげた
不思議そうにAを見上げる、キルアと同い年くらのブラウンの瞳
「あ、わりぃゴン。俺の兄貴」
へぇ、キルアって外では兄のことは兄貴って呼ぶタイプなんだ。思春期って感じ
「キルアのお兄さん!初めまして、ゴン=フリークスです!」
くだらない思考を巡らせいたせいで、まさかの年下に先に挨拶をさせてしまった
キルアに劣らずしっかりとした子だな、差し出された手をしっかりと握ってやけに見覚えのある瞳をじっと見つめた
『こちらこそ、俺はキルアの兄のA。よろしくねゴンくん』
何かを勘づいたように、握られた手をじっと見つめるゴンくん
成程、この子相当な才能を内に秘めているな
下手したらキルアにも負けていないかも
「言っとくけど、A兄はハンターなんだぜ!」
まるで自分事のように、顔をキラキラとさせてAの話をするキルアにゴンは驚いたようにAの顔を覗き込んだ
「そっか、だからか。なんかAさんの手、只者じゃないって感じしたもん!」
『あーそんな大したもんじゃないよ別に』
ハンターとしての仕事なんてもう暫くしてないし、と後を置いても。若輩達の輝かしい瞳達に悪い気はしなかった
『んで、どう?ハンター試験は』
「なんか拍子抜けって感じ、A兄も本気出すほどって言ってたからどんなもんと思ってたのに」
『まーキルアは優秀だからね、俺の自慢の弟だし』
「キルア嬉しそう!」
キルアの照れたような表情にゴンが隣で笑うと、キルアは隠すようにゴンの茶々に野次を入れる
その光景にAは、2人にバレないように目を細め、口角を上げた
弟のキルアが、自分以外に素の表情を出している
他の家族ですら心を閉じかけている彼が、今
外の世界で大きく輝きを放とうとしていた
『兄ちゃんうれしーなー』
Aの呟きは野次を続ける2人に届くことは無かった
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木星(プロフ) - めちゃくちゃ好きです!!イルミと主人公のあいまいな関係がめちゃくちゃ好みで何回も読み返してます…!応援してます!更新頑張ってください!! (2022年3月30日 3時) (レス) id: 294bceea8d (このIDを非表示/違反報告)
むい(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いております!ほんとにいとつひとつの話が最高すぎて、あぁ!兄弟愛!!って感じがほんとに((最高です。この世界線の短編集とかも見てみたいですね……ほんとにこれからも楽しみに待っています!頑張ってください! (2022年3月27日 0時) (レス) id: 708394548f (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 「お前が産めばいいだろう」って最高ですね!! (2021年12月31日 13時) (レス) @page26 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
優心(プロフ) - 今まで見てきた中で1番のコレだ………感です。応援してます;; (2021年12月21日 22時) (レス) @page21 id: e0450d758e (このIDを非表示/違反報告)
不正ワーカー - 赤ちゃんはどこからくるの?8評価お願いします! (2021年12月20日 15時) (レス) id: 9cb17a261c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リオハ | 作成日時:2021年11月25日 9時