ゾルディック家の次男坊 2【HUNTER × HUNTER】

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「俺がいないからって羽目外さないでね」




『おー』





過保護なのか我儘なのか、安定に独占欲の強いだけなのか
片割れを送り出したところで祖父のオーラが近づくのを感じ取った




『ゼノじっちゃん』





「イルミも行ったのか」





『うん、あーイルの分の仕事なら俺に回してよ』







今は年明け
暗殺家業の中では閑散期のうちに入るが
急に我が家のトップ2が不在となると仕事の受け持ちのバランスが大きく崩れるのだろう






「なら1つ、使いを頼まれてくれんか？」




『うん、いいよ』




「ネテロの爺さんに呼ばれてな、折角ならA、お前さん行ってこい。暫く会ってないじゃろ？」






『…完全に押し付けてるな、それ』








言葉はよく聞こえても、どうせゼノ爺ちゃんはネテロじーさんに会いたくないだけ
だってあのじーさん飄々としてるもんね、わかるわかる。虐められるし






『まあいいよ、俺の責任もある"かも"だし』








キルアにハンター試験の話したのを思い出しながら
イルミに何を吹き込んだ。とことを思い出す



あれも吹き込みに入る？






「んじゃ頼んだぞぃ」





『おー』










とりあえず、キルア家出騒動に関しては両親の誤解も無事に解けていた
端末を取り出しネテロの爺さんに適当な連絡を入れてミルキの自室を目指す







『ミルキ〜』




「げっ、A兄っ俺なんかした？！」






ノックもせずにミルキ部屋に入ったら、弟は口元にスナック菓子のかすをたくさん付けて案の定怯えていた





やはり先程のは少々やり過ぎたようだ








『はは、そんな怯える？』






お兄ちゃんショック

カオスなミルキの部屋に入ったのは記憶にある限り初めてで、デスクに座り震えるミルキに近づいた






『ごめんな、ミルキに八つ当たりしちゃった』







潮らしく眉を下げる兄の姿にミルキは怯えながらも、珍しさを覚えた








『ミルキは俺の初めての弟だからさ、すっげ大事に思ってんだよ』






桁違いに両親に期待されていたAが、ミルキと会話するようになったのは幾分大きくなってから
2人きりの空間は恐らく初めてだろう




『許してくれるかな、こんな兄ちゃんだけど』




「う、うん勿論」





よかった、と微笑みながら
ミルキの口元の菓子クズをひとつ取り口に含む兄があまりにも綺麗で、ミルキの顔に熱が帯びる





イ、イル兄に殺される…





この双子に絡むとどちらに転んでも厄介なのだ





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