15 ページ15
「どういう風の吹き回しだ」
『継いで欲しいんでしょ俺に。いいよってば
俺はイルミと一緒ならなんだって良いし』
疑いに疑いをかけるシルバの瞳にAは自嘲気味に笑う
今までの自分の行動がこうも裏目に出たか、と
まあ。父親は自分と違って堅い人間だ
そう思うのも分からなくはないが
「真実を言え、じゃなきゃ取引はなしだ」
『えー』
シルバは、先程のAによる殺気で過呼吸になりかけているキキョウを支えた
キキョウとはいえ、このゾルディックに嫁いできた女
そして何よりもシルバが選んだ女性だ、彼女は強い
だがそれ以上に、Aの存在が彼女の脳裏に恐怖を焼き付けたのだ
「っ、すごいゎAちゃん!!」
呼吸を乱しながらも、息子がここまでに成長を遂げていたことにキキョウは涙した
Aもイルミ同様、成人し立派な殺し屋として務めてはいたがその本来の実力は両親の期待以上のようだ
『俺じゃ役不足?』
「何か企んでいるだろ」
『違うって、ほんとにキルアには無理だと思うよ。親父話してみなよキルアと。あいつはもう、
残念だったね、とAは舌を覗かせた
その表情に、シルバは額に手を当てる
「友達の存在か」
『キルアはもう、俺たちとは違う。イルミがまたやったって無駄だと思うよ』
『俺がそんなことさせないもん』
つまり、つまりだ
キルアをゾルディックから解放しろと、まるで縛り付けていたような言い回しでAは
恐らくもうずっと前から企んでいたのだろう
こうなる事を予期していたかのように
『あー条件追加、キルアを行かさないなら。そうだ全員殺そうか』
「…家族間の殺しは禁止だ」
『死んでしまえば、関係ないね』
「俺がお前を殺す」
『はっ、まず親父を殺すに決まってるじゃん』
やぁやぁ親父、さあどおしよっか。
答えはひとつだよ、いい回答を待ってるね
「…キルアを呼べ」
『さっすが親父、俺には甘いね』
甘いなど、何をバカげたことを抜かすのだろうかこの男は。本気で殺す気でいておいて
負ける気はしない、が家族を守りきれる自身は皆無だ
自分や祖父以外は容易く殺されてしまうだろう
「はぁ、」
面倒な息子だ、イルミもAも
『親父だーいすき』
「抜かせ」
.
452人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
木星(プロフ) - めちゃくちゃ好きです!!イルミと主人公のあいまいな関係がめちゃくちゃ好みで何回も読み返してます…!応援してます!更新頑張ってください!! (2022年3月30日 3時) (レス) id: 294bceea8d (このIDを非表示/違反報告)
むい(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いております!ほんとにいとつひとつの話が最高すぎて、あぁ!兄弟愛!!って感じがほんとに((最高です。この世界線の短編集とかも見てみたいですね……ほんとにこれからも楽しみに待っています!頑張ってください! (2022年3月27日 0時) (レス) id: 708394548f (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 「お前が産めばいいだろう」って最高ですね!! (2021年12月31日 13時) (レス) @page26 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
優心(プロフ) - 今まで見てきた中で1番のコレだ………感です。応援してます;; (2021年12月21日 22時) (レス) @page21 id: e0450d758e (このIDを非表示/違反報告)
不正ワーカー - 赤ちゃんはどこからくるの?8評価お願いします! (2021年12月20日 15時) (レス) id: 9cb17a261c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:リオハ | 作成日時:2021年11月25日 9時