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「Aちゃんおかえりなさい！」
『ただいま母さん、ご機嫌だね』
1週間程、イルミの分の受け持ってた仕事を終えて帰宅したところ
出発前とは打って変わって上機嫌の母、敷地内の気配、なるほどね
『キルア、帰ってきたんだ』
「ええ！やっぱりイルミに任せてよかったわ！」
るんるんと今にも鼻歌が聞こえてきそうな母
やはりキルアはイルミに逆らいきれなかったか、そらそうだよな。家出きっかけに"アレ"に気づいたりもするかなあ、なんて期待したけれど
やはりキルアはまだまだ詰めが甘い、いや世間知らず？
敷地内、円を張ったところで片割れのオーラを感じ取れないことをいいことにキルアのいる独房を目指す
案の定、彼の懲罰は三男ミルキが執り行っていた
『へぇ、精が出るね』
「えっA兄ぃ？！」
はい、2人とも失格
いくら敷地内だからって油断しすぎ、声を掛けるまで俺に気づけないなんて。ミルキもお仕置必要なんじゃ？
「わ、A兄」
『おかえりキルア、ってことでミルキ出てってくれる？俺も久しぶりにさぁ、最愛の弟とお話したいし』
にっこり、可愛い弟に向けるための笑顔を浮かべればミルキは冷や汗をかきながら退室して行った
『あ、取ろうか？』
「んーん、自分で出来る」
がこん、と大きな音を立ててキルアを繋いでいた鎖は崩れ落ちていく
身体中に付けられた痛々しい傷跡とは相反し、寝ていたのだろうか。キルアはくぁ、と大きな欠伸をひとつ浮かべる
『お薬塗ったげる、おいで』
手招きをすればキルアが嬉しそうに俺の膝の上に座った
『お、その座り方じゃ塗りずらいんだけど』
「へへ、俺はこれがいい」
そうかいそうかい
可愛い弟の我儘なら致し方なし、ととりあえず背面の傷に薬を塗り込む
ゾルディックの薬は特別だ、こんな傷跡でも1日経てば殆ど治る
あとは自分達の自己治癒力が高すぎるのもあるが
『背中終わり、キルアこっち向いて』
キルア？
呼びかけても無反応、後ろから顔を覗き込んだら
自分そっくりの顔は歪んでいて、キルアの頬は濡れていた
「……俺、ゴンと友達になりたかった」
随分強がっていたのだろう
声を押し殺して泣くキルアを、正面からきつく抱き締める
『キルア、大丈夫だから』
何を根拠に、と弟は俺を詰めるはずもない
腕の中のキルアの涙は止まらないのだから
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木星(プロフ) - めちゃくちゃ好きです！！イルミと主人公のあいまいな関係がめちゃくちゃ好みで何回も読み返してます…！応援してます！更新頑張ってください！！ (2022年3月30日 3時) (
レス) id: 294bceea8d (このIDを非表示/違反報告)
むい(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いております！ほんとにいとつひとつの話が最高すぎて、あぁ！兄弟愛!!って感じがほんとに((最高です。この世界線の短編集とかも見てみたいですね……ほんとにこれからも楽しみに待っています！頑張ってください！ (2022年3月27日 0時) (レス) id: 708394548f (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 「お前が産めばいいだろう」って最高ですね！！ (2021年12月31日 13時) (レス) @page26 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
優心(プロフ) - 今まで見てきた中で1番のコレだ………感です。応援してます;; (2021年12月21日 22時) (レス) @page21 id: e0450d758e (このIDを非表示/違反報告)
不正ワーカー - 赤ちゃんはどこからくるの？8評価お願いします！ (2021年12月20日 15時) (レス) id: 9cb17a261c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リオハ | 作成日時：2021年11月25日 9時
