ゾルディック家の次男坊【HUNTER × HUNTER】

17 ページ18

「Aはどうだ」





「うん、いつも通り」






やっぱりAは問題児だ、と父は頭を悩ませているらしい

生まれた時からAは、代々伝わるゾルディック家でも稀を見るほどの才能を内に秘めているというのに
どう足掻いたって易々と両親の思い通りにはなってくれない






「…お前次第だイルミ」




「うん、俺親父の期待に応えられなかったことないでしょー？」






イルミは長男として、シルバから絶大な信頼を得ている自覚はあった

Aと違い聞き分けもよく、命令に対して表情を崩さないイルミもまた、誰よりも優秀な暗殺者となると踏んでいる
そして彼もまた、弟達の指導には力を入れている風に見える
特に、シルバがAの次に期待をするキルアにはイルミも目にかけているようで
シルバは心の底から安堵したのを覚えている




イルミがいれば、ゾルディックは安心だ。と





ならどうしてイルミに家業を継承させないのか









「ゾルディックは代々銀髪の主人しかしかいないからね」




『は？まじで？』





くだんねぇ、とAは絶句した




「ん、うそ知らない」




『は、』





イルミにとってはそんなことはどうでもいいのだ
自分は暗殺を心得る為だけに育てられたのであって
家業を継がせる為に育てられたわけではない


後者はAの役目



全く同じように育てられた双子は
それぞれ違う道を歩む為に育てられていた





故の、父シルバの昔の発言であった






「お前達はずっと一緒ではない」と、







表現は気に食わないが意味は得ていた

当主は2人もいらない、恐らくそういう意味だろう


それでもよかった。側からAが離れないのであれば
いや、むしろゾルディックの頭はAが成るべきなのだと
幼い頃より確信していた


彼は自分より明らかな才能を秘めていたから








『イルミはいなくならないよな？』




「自分は勝手にいなくなってるくせに」




『お前の事だから仕返ししそうで』




「はは、いいね」



我儘なやつ。それでも俺は、自分とは違うふわふわの髪に指を通す




「本当綺麗な髪、キルとお揃いじゃなければ完璧」





『イルミ、キルに冷たくね？』




「え、どこが？むしろ愛してやまないよ」




『は？どこが？』






だとしたらお前相当イカれてるよ。って
酷いよね、それが最愛の片割れにいうセリフかよっての



.


え、1000hit……？作者困惑汗汗です、ありがとうございます

18→←16

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す