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「お前がきてくれて嬉しいよ、招かれざる客もいるようだけどね」
何十にも重なって聴こえる声、狼の姿の筈なのに母親の面影が垣間見えると心臓はぎゅうと音を立てながら収縮をしていく
「私と闘うのかい？」
『話し合いで済んだら嬉しいかも』
減らず口、と呟きは確かAの耳に届く
かつての母、幼い自分に無償の愛を注いでくれた母親の姿はもうそこに微塵も感じられなかった
戦う準備はしてきたつもりだ
スコルから伸びる、狼の形をした禍々しい影が凶暴にもAとソーの元へ襲いかかる
"「A、僕らを使って」"
耳元で囁かれる声のままに従う
手を翳すとフレアが２人を包む
暖かく、頑丈なフレアにスコルの影達は消えていった
「む、やるなA」
『新しい才能見つけちゃった』
「無駄な時間だ」
這いずるような音を出しながら、スコルの影は背後から現れた。先程迄のものとは明らかに違うサイズ、飲み込まれてしまいそうなそれ。そしてその向こうには大きな月が太陽の光を反射させている
『っ、ソー！』
いくら自分がこの宇宙を照らす太陽神の力をどうとかする存在だとしても、こちとら生まれてから地球で人間をやり続けてきたわけで
この力は使えと言われてすぐに使いこなせるほどのものじゃない。全てを飲み込んでしまいそうなほどのスコルの影に対応しきれず咄嗟にソーを突き飛ばした
「なっ、A…っ！」
ソーが声を上げながら必死に手を伸ばすも
影はソーの大きな手をはね返した
影に包まれていくAの瞳は、ソーの表情を捉えては細められた
"一体、どういうつもりだ"
まるで最初からそのつもりだと言うのか
なぜお前はそんなにも穏やかで、強い瞳をしている
ソーが聞きたくても、Aは瞬く間に影に飲み込まれてしまった
ゆらゆらと揺らめくフレアは静かに小さくなっていき
心做しか太陽の光が弱まっていくようだ
「A……っ」
ムジョルニアを持つ手を握りしめるも、此処では自分を象徴する雷鳴を轟かせることは出来ない
未だソーの手を弾き続ける影に、彼は無力ながらに奥歯を食締める
こんな時に、弟のロキは何処で何をしているのだ
Aへの不安を、義弟にしか向けることで精一杯だった
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翡翠(プロフ) - 初めてコメントします、、、！アベンジャーズとクリント・バートンが大好きでここに辿りつきました！めちゃくちゃ読みやすくてストーリーも面白くて一気に楽しませて頂きました！無理は言いませんので(むしろいくらでも待ちますので)続きが読めたら嬉しいです、、、！ (2022年6月7日 21時) (
レス) @page14 id: e65fca4c0e (このIDを非表示/違反報告)
おもちちゃん(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです!また続きを更新してくださるのを待ってます! (2022年5月21日 14時) (レス) @page14 id: b3862cde2f (このIDを非表示/違反報告)
yk6772(プロフ) - 奏さん» コメントありがとうございます！私もMARVELがとにかく大好きで、他作品へのきっかけなどになって嬉しいです。お楽しみいただけるよう、マイペースですが更新していきますので宜しくお願い致します！ (2022年2月11日 23時) (レス) id: 6eded9b577 (このIDを非表示/違反報告)
yk6772(プロフ) - でん太郎さん» コメントありがとうございます。そしてお気遣いまで頂きましてとても嬉しいです。素敵なご意見を頂いた上、引き続きお楽しみ頂けるよう執筆させていただきます！ (2022年2月11日 23時) (レス) id: 6eded9b577 (このIDを非表示/違反報告)
yk6772(プロフ) - 千紗さん» コメントありがとうございます。滞ったりマイペース更新ですが、お楽しみいただけてとても嬉しいです！ (2022年2月11日 23時) (レス) id: 6eded9b577 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リオハ | 作成日時：2021年1月15日 0時
