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Aの話に、フューリーは沈黙を続けた
その様子はモニター越しのスティーブやクリント達にも伝えられていて
「なんで、あの子って」
ナターシャの言葉はそれ以上紡がれない
モニターからデスクに目を逸らして、大きく息が吐かれる
ソーやロキがここにいる以上、Aの話は事実であるに違いない。そもそも疑うつもりも無かったが
彼女がいつのまに、宇宙規模で戦っていたことを事後報告してきたことについては思うことがあるのだ
それはナターシャだけでなく、スティーブやクリントも然り
彼女と過ごしてきた時間は長かったはずだ
家族同等の繋がりを持っていると思っていたのに
あの日から、彼女は自分達をもう必要としなくなってしまったのだろうか
「そのスコルは、滅んだのか」
『ロキ曰く、月に戻っただけと。力は失っているけど存在自体を壊してしまってはいけないみたい』
だけど
開かれた口は、言葉を失ったまま閉じられた
フューリーを写していた瞳は伏せられて、Aのまつ毛は静かに揺れる
「Aの母親は死んでしまった」
Aを守るために
ソーが現れて、モニターに映るAを
彼には相応しくない表情で見つめていた
「スコルに肉体を奪われたAの母親は、Aの中のスコルの魂とその力を全て飲み込み消滅してしまった」
ロキがAを貫いたのは、スコルの力だけを破壊する為の行動だった
結果的に彼女の中にあったスコルの力のみが破壊されスコルはその力を失ったのだと
これでいい、これしかなかった
唱えるように呟くソーが、スティーブにはやけに弱々しく見えた
『世界を、宇宙を救ったからとは思ってないです。処罰は厳正に、受けるつもりです』
その瞳に、迷いはなかった
フューリーは彼女と初めてであったことを思い出す
悪によって捕らえられていた、弱々しくも強大な力を内に秘めていた少女の姿を
死すらも受け入れるA、周囲は彼女を生かそうと必死に動いてきたというのに
奇しくもそれは大人のエゴであったのだろう
「そうか、ならば受け入れてもらおう」
だがそのエゴは、終わらせることは出来ない
彼女を生かそうと死なせてしまったA自身の父親も
母親も、彼女の幸せを願って死んだに違わない
ならば、フューリーは
目の前のAに幸せになってもらわねば困るのだ
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翡翠(プロフ) - 初めてコメントします、、、！アベンジャーズとクリント・バートンが大好きでここに辿りつきました！めちゃくちゃ読みやすくてストーリーも面白くて一気に楽しませて頂きました！無理は言いませんので(むしろいくらでも待ちますので)続きが読めたら嬉しいです、、、！ (2022年6月7日 21時) (
レス) @page14 id: e65fca4c0e (このIDを非表示/違反報告)
おもちちゃん(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです!また続きを更新してくださるのを待ってます! (2022年5月21日 14時) (レス) @page14 id: b3862cde2f (このIDを非表示/違反報告)
yk6772(プロフ) - 奏さん» コメントありがとうございます！私もMARVELがとにかく大好きで、他作品へのきっかけなどになって嬉しいです。お楽しみいただけるよう、マイペースですが更新していきますので宜しくお願い致します！ (2022年2月11日 23時) (レス) id: 6eded9b577 (このIDを非表示/違反報告)
yk6772(プロフ) - でん太郎さん» コメントありがとうございます。そしてお気遣いまで頂きましてとても嬉しいです。素敵なご意見を頂いた上、引き続きお楽しみ頂けるよう執筆させていただきます！ (2022年2月11日 23時) (レス) id: 6eded9b577 (このIDを非表示/違反報告)
yk6772(プロフ) - 千紗さん» コメントありがとうございます。滞ったりマイペース更新ですが、お楽しみいただけてとても嬉しいです！ (2022年2月11日 23時) (レス) id: 6eded9b577 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リオハ | 作成日時：2021年1月15日 0時
