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"『ねえナターシャ、今日は何の日？』"
"「急にどうしたのよ」"
"『クリントが聞いてきて、答えられなかったらムスッとしてどっか行っちゃった』"
"「あー……すぐわかるわよ」"
そう言って彼女は綺麗な赤毛を靡かせて微笑んだ
"『えっと…これは？』"
"「今日はAと初めてあった日、だ」"
彼は組織内で結構厳しい人間として有名らしい
任務に忠実であまり他人と干渉をせず眉間にシワを寄せていることが多い、そんな彼が今両手いっぱいの花束を向けて嬉しそうに微笑んでいる
"『ありがとう、ありがとうクリント！』"
毎年お祝いしてくれたのが本当に嬉しくて、彼と会った日がいつしか私の誕生日になっていた
『クリント』
発したか否か、夢の中だから分からない
少しずつ記憶が浮かび上がってきている、幸福だったもの達が。
久しぶりの嬉しい夢なのに、会えない寂しさよりも勝るほどの幸福感なのに何故か苦しい
意識が少しづつぼんやりとしてきて、呼吸が＿＿＿＿＿＿＿＿
呼吸？？
ハッとして瞳を開けた
夢から醒めて、赤毛の彼女も鋭い瞳の彼も居らず。目の前には昨夜寝るまでそばに居てくれた彼が私の上に馬乗りになり無機質な左手を首に掛けていた
『ｯく……ｯぁ』
彼の瞳には何も映していなくて全て察した。今の彼はウィンターソルジャーなのだと
声をかけようにも首を締められていくせいで上手く発することが出来ない
力を振り絞って腹部をなんとか蹴りあげ緩んだ隙に彼から体を逃がす
勢いよく入り込んできた酸素を吸収して襲いかかる彼を避け右手を掴み意識を送り込む
少し経てば荒い呼吸も収まり彼は倒れ込むように屈んだ
『おはようバッキー』
「……すまない、A」
顔をあげない彼は罪悪感に押し潰されるんじゃないかというくらい小さくなってしまっている
男性にしては少し長い髪に指を通せばバッキーはﾋﾞｸﾘと身体を震わせた
『貴方のせいじゃない、バッキーはバッキーよ』
大丈夫、私はこんなことじゃ傷つかないよ
私の声に顔を上げたバッキーは昨夜と同じように優しい瞳をしていた。そんな彼を見てなぜだか私の瞳から涙が零れた
「Aは優しすぎる」
右手から伝わる彼の悲しみに溺れそう。早く彼が笑えるように
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ホーク - 更新楽しみに待ってます！とっても面白いです！ (2020年10月25日 19時) (
レス) id: 914afb4dd5 (このIDを非表示/違反報告)
M-tAnt(プロフ) - 初めまして、今日初めてこの作品に出会いました。読み進めていくうちにどんどん引き込まれます…MCU大ファンの私にとって願ってもみない素晴らしい作品です！ロキが大好きな私にとって、主人公との絡みが私得すぎてもうなんと言っていいか…本当に有難うございます！！ (2020年9月15日 18時) (レス) id: 916efa1534 (このIDを非表示/違反報告)
はな - 更新楽しみにしてます！ (2020年9月10日 22時) (レス) id: 0a0d47c786 (このIDを非表示/違反報告)
no non(プロフ) - 更新待ってましたぁぁぁ！結末が一体どうなるのかめちゃくちゃ気になります！更新応援してます！ (2020年8月27日 19時) (レス) id: de80b1f653 (このIDを非表示/違反報告)
Ruby(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2020年8月18日 22時) (レス) id: ccc02d9cf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リオハ | 作成日時：2020年4月1日 16時
