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「それは何だ」
先に出たはずの彼は戻ってきていて私を見た途端目を見開いた
『隠居するのに十分な資金が必要でしょ』
ボストンバッグを3つ床に落とせばドスンと重い音を立てた
『言っとくけど強盗してないから』
そう、中身はお金。これでも一応S.H.I.E.L.D.という国際組織のトップエージェントだった訳で、S.H.I.E.L.D.はかなり金払いがいい組織だった。あとプラス父さんの遺産も。
使うところもなく貯め込んでいたら割ととんでもない金額になっていた。窓口のお姉さんありがとうございました
普通にだったら2回ほど人生は楽しめるんじゃないかな
『直ぐに出れる？出来れば1分以内に』
いくら今世界中が混乱していると言っても口座を動かしてしまったからには嗅ぎつけられる。なるべく遠くの銀行を利用はしたけど限界がある
彼は相変わらず何も言わないまま床に落としたボストンバッグを肩にかけた
「……車？」
『これも盗んでない、その辺の人に売ってもらった』
ディーラーから買えば跡が着いてしまう。目立たない普通車を見て彼は私の顔をジロジロと伺ってきた。言いたいことはわかるけど今は言わないで欲しいな。ついでに貴方が盗んできたお水のお金も払っておいたからね
キーをさしてアクセルを踏む。車の運転は久しぶりだが途中ストアで購入したサングラスを掛ければ問題ない
「キャプテン・アメリカは、わかるか？」
ワシントンの街から離れるよう車を走らせ続け郊外に出る。どのくらい時間が経っただろうか、突然彼が口を開いた。彼は私の返事を待たず独り言のように話し続ける
「キャプテン・アメリカ、スティーブ・ロジャース……親友だった」
自分の名はジェームズ・ブキャナン・バーンズ
スティーブ・ロジャースという親友を持ち第二次世界大戦を共に戦ってきたと言った。どうやらスミソニアン博物館に行ってきたらしい
『……バッキー？』
スティーブとの話の中で何度かでてきたことがある名前"バッキー"。スティーブは遠くを見るように懐かしみながらバッキーという人物について話をしてくれたことがある。
社交的でみんなの人気者、腕っぷしに自慢がありいつも優しいスティーブの相棒のバッキーが今、私の隣にいる
私が彼のあだ名を呟くと寂しそうに口角を上げた
「あいつも生きてたのか」
ここにも1人、大切な人を思う人がいる
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ホーク - 更新楽しみに待ってます！とっても面白いです！ (2020年10月25日 19時) (
レス) id: 914afb4dd5 (このIDを非表示/違反報告)
M-tAnt(プロフ) - 初めまして、今日初めてこの作品に出会いました。読み進めていくうちにどんどん引き込まれます…MCU大ファンの私にとって願ってもみない素晴らしい作品です！ロキが大好きな私にとって、主人公との絡みが私得すぎてもうなんと言っていいか…本当に有難うございます！！ (2020年9月15日 18時) (レス) id: 916efa1534 (このIDを非表示/違反報告)
はな - 更新楽しみにしてます！ (2020年9月10日 22時) (レス) id: 0a0d47c786 (このIDを非表示/違反報告)
no non(プロフ) - 更新待ってましたぁぁぁ！結末が一体どうなるのかめちゃくちゃ気になります！更新応援してます！ (2020年8月27日 19時) (レス) id: de80b1f653 (このIDを非表示/違反報告)
Ruby(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2020年8月18日 22時) (レス) id: ccc02d9cf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リオハ | 作成日時：2020年4月1日 16時
