54話 ページ44
「ゲーセンか!」
『そう!正解!』
連れてこられたのはホテル内のゲーセン。まぁ階段使うって言われたときから薄々勘づいてたけど
『我々は終末日という長期休暇で遊び放題…の筈なのに多過ぎる課題と魔獣のせいで初っ端から最悪!だから遊ぶ!!!』
「確かに!そうだね!まずはどれやる?!」
『無難に格闘ゲーからやりたい!』
「いいねぇ!」
対面型のよくあるタイプの格闘ゲー…Aちゃんとやるのは初めて…そしていつもの師団でのプレイを見てる限りこういうのは強い…かなりの強敵に…
「勝っちゃった」
『そういえば私、対面型は苦手だったわ』
「えぇ…」
『…気を取り直して次のゲーム行ってみよう!』
そうして対戦ゲーム、協力ゲーム色んなゲームをやった。ゲーセンのゲームは体力を使うからすぐバテるAちゃんの為に休憩もかなりした。
ちなみに今も休憩中。
『…リードくん』
「ん?」
『…助けてもらったときに御礼言えてなかったから今から言おうと思います』
そう言って真っ直ぐ僕を見つめてくる。
…やけに心臓の音が聞こえ始めたのは気の所為だろう。
『ありがとう。今こうやって生きてるのもリードくんのお陰』
「流石にそれは大袈裟じゃない?」
『ううん事実、多分もう少し助けてもらうのが遅かったら死んでたし』
いつもより静かに笑うAちゃん。さっきのはしゃぎが嘘みたいに大人っぽい。
『でも!!走馬灯がリードくんの煽ってる姿だったのは絶ッッッッッ対に許さんから!!!』
さっきの大人っぽさは何処いった!いつものAちゃんに戻っちゃったし!!
「はぁ!?言っとくけどAちゃんだって大概だよ!?すぐ煽り返してくるし!」
『煽られたら煽り返すのは普通でしょ!!』
「そんなこと言ってるけど悪周期イルマくんに頭撫でられた時は反撃してこなかったけどね〜」
『なっ…!あれは…ッ!!』
「恋する乙女みたいに照れちゃってさ〜ホント面白かったな〜」
『そういうリードくんだって女子に頭撫でられたら照れるでしょうよ!!』
ほらほら!と言って僕の頭をワシャワシャと撫でてくる。…確かに恥ずかしいかもしれない
「わかったから離して…」
『リードくん頭撫でやすい…』
「え?」
『なんか丸みが手にフィットするというか…髪質なのかな?…え凄い……』
「ちょっと!無言で撫で続けないで!」
キラキラした顔で撫で続けられる。ヤベぇヤベぇ…本当に心臓持たないよこれ…
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作者名:朱莉 | 作成日時:2022年5月8日 9時