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45話 ページ27

〈Aside〉

「今日の放課後に家庭訪問を行う」


((!??))


「家庭…訪問…?」

「そうだ、そしてAは朝礼が終わったらすぐに一対一の面談だ」

『ひぃ……』


勿論だが人間界から魔界に迷い込んだ私にはこの世界での両親がいない。だから家庭訪問は私は無いだろうと浮かれていたら…


「では面談を始めるぞ、粛にな。」


これである。


『家庭が無いならやらんでも良いじゃないですか…』

「こっちは理事長に全員分やれと言われて仕方なくだ。」

『…大変ですね…』

「憐れむな貴様」


わぁ…分厚い本どっからか出してきたよ…何あれ全部私のこと書いてあんの?流石にそれないよね…そんなにアブノーマルなことしたかしら…


「…早速本題と言いたい所だが本題に入る前に1つ質問しなくてはならないことがある」

『なんですか?』

「A…何故貴様、偽名を使っている」

『…!』

「A家なんて家はどれだけ昔の資料を探しても見当たらなかった。そこで考えられる可能性が2つ、1つ目は家系全てがナニカのせいで歴史から消え去った。2つ目が偽名を使っている…どちらの理由にせよ教えろ。」


…理由…別世界から来たから別名を名乗ったなんて言えないし…嘘をでっちあげないと…ありそうな理由…ありそうな理由…


『…本名を教えたら悪魔に魂を取られる』

「…なに?」

『うちの家訓ですよ。おかしいですよね自分達も悪魔なのに。…何故こんな家訓が出来たかは知りませんけど小さい頃から教えられてたんで、そりゃあ私も偽名で名乗り始めますよ』


全部嘘だけど!!


『…納得してくださいました?』

「あぁ…それでは本題に入る」

『…はい』


カルエゴ先生が分厚い本を開く。…一体何を言われてしまうんだ…


「…学生寮に入る気はあるか?」

『…はい?』


学生…寮…?


「学生寮は生徒会役員や遠方に実家がある者なんかが使っている。そして貴様は理事長の家に居候しているが理事長の血縁というわけでもなく本当にただの居候。それならいっそ…とな。」

『成程…』


確かにあの3人の家庭に割り込んで居候する理由は私には無い。迷惑掛けない為にも学生寮に…

「大事な子なの」

…入間くんの、為だとしても……


『…有り難いですがその話、お断りさせて頂きます。確かに血縁もでもないただの居候ですが、あの家でしか得られない経験も沢山あります。だから…』

「…はぁ…わかった。ではこの話は忘れていい。」

『はい、有難う御座います。』

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作者名:朱莉 | 作成日時:2022年5月8日 9時

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