第31話 枯れたはずの涙 ページ33
No side
地下牢に着くと、まず石切丸と青江が祈祷をして空気を清めた。その後、
石切丸「みんな、今日はお客さんが来てるんだ」
青江「おそらく君達にとって嬉しいお客さんだと思うよ?」
??「おきゃく?それは…だれ…ですか…さにわ…ですか…さにわは…きらい…です…」
闇堕ちしている1振り、今剣。彼は岩融が自分を庇い、目の前で折られたショックで闇堕ちしかけているのだ。
桜雪は石切丸に抱っこされていたが、みんなと違う雰囲気に少し怖がっていた。
闇堕ちしかけている刀剣男士達の目は赤い。しかし、赤は赤でも暗く、光の無い黒ずんだ赤い瞳。それが闇堕ちの証。
石切丸「今剣さん、確かに審神者もお客さんの1人だよ。でも、この主は最初の主、葵様の娘だよ?霊力もそっくりで、純粋純白な清く暖かい霊力を持っている。2代目からの前任達とは違うよ。」
今剣「あおい…さま…(涙
ぼくは…あおい…さま…いがい…しんよう…できません…たとえ…むすめ…でも…岩融が…いないと…もどらないと…しんじ…られません…(涙」
今剣は涙を流した。最後に泣いたのはいつだろうか。それくらい涙を流す事が出来なかった。岩融が折れた時にこれでもかという程に泣いて、涙が枯れてしまっていた、はずだった。
石切丸「そうだね、では、その岩融さんが戻って来たら、君はどうする?」
今剣「え?」
今剣が顔を上げると、そこには岩融が居た。審神者が鍛刀したのか…いや、違う、この岩融は折れた岩融。今剣はそう感じた。
岩融「今剣よ、待たせてしまったな…すまなかった…お前には辛い思いをさせてしまったな…これからは、二度と折れないとここに誓おう!だから、戻って来い、今剣…(涙」
岩融は涙を流しながら腕を広げた。今剣は起き上がり、吸い込まれるように岩融の胸の中で飛び込んだ。今剣は泣きじゃくり、岩融の復活と再会を喜んだ。石切丸はもう大丈夫だと判断し、
石切丸「それじゃあ、桜雪、今剣を手入れしてくれるかい?(微笑み
大丈夫、怖い事は何も無いよ。今剣さんは闇落ちから解放されようとしているからね、後は君が彼の傷を癒せば、もう大丈夫だ」
桜雪「ほんちょ?…なおしゅ!
えちょ…いまのちゅるぎ?あの、しゃにわ…でしゅ…しょの、おちぇちぇ、ぢゃしちぇ、くだちゃい!」
今剣「!?…あなたが…岩融をなおしてくれたのですか?(泣」
桜雪「…(コクッ」
今剣は恐る恐る手を差し出した。すると、桜雪はその手を優しく握りなおれ、なおれ、と祈り霊力を送り続けた。
第32話 闇から光へ、赤から元の色へ→←第30話 自己紹介第二
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作者名:雪ネコMyCo | 作成日時:2020年10月4日 15時