星屑は雨に舞う

＊星屑ふたつ ページ2

＊


「……あ！おはようございます！アルタイルくん！」

僕が話しかけたのは薄紫の髪に水色の瞳を持つ少年＿＿アルタイルくん。
彼も僕と同じ魔法少女で同じ学校に通っている。……一見少女の様な見た目だがれっきとした男の子だ。

「……おはよう、カペラ。」

挨拶を交わした時、多少違和感を持った。声色がいつもと違う気がする。

「……何かありました？」

「また女とまちがえられた……。」


「おれは男なのに」とぼやくアルタイルくんの気持ちはよく分かる。何故なら僕も同じ様に少女の様な容姿で色々言われてきた。……確かに僕はかわいい物は好きだが、自分が少女と思われるのは心外である。

と、そこで僕は話しかけた理由を思い出す。挨拶するだけではなく、ちゃんとした用事があった。

「アルタイルくん、お菓子いります？昨日たくさん作ったんですよ！……お姉ちゃんや僕だけで食べるのももったいなくて。」

そう言って鞄から取り出したクッキー。星や動物の形に象られた物や丸い形があり、どれにも綺麗にアイシングが施されている。

「もらう。……うまい。」

「よかったぁ……！えへへ。」

齧られたクッキーを見つめて少し昔の事を思い出していた。
クッキーを作ってはお姉ちゃんに食べてもらっていたっけ。因みにお姉ちゃんも魔法少女である。

ふと前を見るともう木造の学校についている事に気がついた。
僕たちは小走りで学校の中に入った。

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