sweet*and*sour…247 ページ7
「君さ、」
ソファに二人。
いつもと雰囲気は変わらないが
もうただの同居人ではない。
肩の触れる距離に居る。
「僕のこといつから好きだったの?」
「そ、それ聞くの…?」
「だって気になるし。」
僕は自分が気付いていないだけで
多分かなり前から彼女のことは好きだった。
自覚してからも特に変な態度を取ったつもりはないし
彼女から行動を起こしてくれなければ
未だに好かれようと必死だっただろう。
「多分…ずっと前から好きだった…」
へえ。教えてくれるんだ。
「自覚したのは…月が綺麗ですねの意味を知ってから。」
「やっぱり君知ってたんだ?」
「だ…だって検索したら出てきて…」
なるほど。何となく分かった。
だから彼女の態度が可笑しかったのか。
“ 雰囲気が可笑しいんだよね!?自覚してる!”
大方あの時だろう。
僕のことが好きであの態度だったってわけね。
「ふ…」
僕あの時、結構彼女にアピってたんだけど。
タイミング最悪だったな。
彼女にとっては非道な追い打ちだっただろう。
「な、何で笑うの…!?」
「だって僕が君に触りまくってた時だよね?」
「触…そうだよ!お弁当食べさせてきたり…!」
“ うあぁぁ…蛍の馬鹿!”
「ぷ、アハハ!」
「あ、また笑った!」
「暫くこのネタで笑えそうだよ。」
そりゃあタイムも取りたくなるか。
後から思い返すと面白過ぎる。
「わ…私必死だったんだからね!?」
「僕も必死だったからお
「蛍も…?」
「僕の気持ちも分かってたでしょ?」
「それは…半分半分だった…」
「まあバレないようにしてたしね。」
「隠すの上手過ぎる…」
「君の“月が綺麗ですね”ほどド下手じゃないよ。」
あれは明らかな告白だった。
真っ直ぐに伝えられる彼女が少し羨ましい。
「でももう隠さなくてもいいんでしょ?」
「ッ、」
ズイッと顔を寄せる。
「ち、近いよ。格好良いからやめて…」
「キスしといてまだ言う?」
「キ…!」
あーあ。また真っ赤。
「うー…やだもう…格好良い…」
「…君も大概僕のこと大好きだよね。」
「世界一の幸せ者だよ私…」
「感覚バグってない?大丈夫?」
まだいっぱいいっぱいなんだろう。
「でもまあ…そうだね。」
「?」
「君は世界で二番目くらいにしといて。」
一番は僕が貰っとくから。
「何で…?」
「何でかな。」
僕も本当に浮かれてるよ。
嫌になる。
「一番はどこ行ったの?」
「どこ行ったんだろうね。」
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作者名:愛羅 | 作者ホームページ:
作成日時:2014年10月31日 20時