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sweet*and*sour…245 ページ5

「…」


両手を握って少し気まずい空間。
恥ずかしくて逃げ出したい気もするけど嫌じゃない。

ちらりと彼を見ると甘い瞳。
ど、どうしよう。
恥ずかしい…

普段見たことのない顔だ。


「次僕の番ね。僕も君に触りたいし。」
「え、待っ…じゅ、順番…!?」
「うん。好きな子に触りたいのは当然でしょ。」
「ぅ…」


両手は握ったまま彼の唇が頬に触れる。
キスというより本当に触れるだけ。


「ッ、」


嫌じゃないんだけど…!こ、心の準備が…!

受けるだけで精一杯で居ると
瞑っていた瞼にも柔らかな感触。
両手を繋いでるから逃げられない。


「恥ずかしい?」
「恥ずかしいよ…」
「ふうん。」


ひぇ…いつまで続くの…


「こっち向いてよ。伏せてたら顔見えないじゃん。」


ぜ、絶対に今意地悪な顔してるよね…!?


「ま、待って…!」
「僕屈んでるから腰辛いんだよね。」
「そ…んなこと言われても…」
「まあ別にこっち向かなくても勝手にするしいいけど。」


キャパが…!
キャパオーバー!!


「ッタ、タイム!」
「出たよタイム。」
「私がもたない…」
「いいよ。急いでないしね。ごゆっくりどうぞ。」


ごゆっくりと言われても…
ゆっくりしたらしたらで余計に恥ずかしいような…
視線を感じつつどうしようかと思考を巡らせた。

手汗もかいてきた気がするし…一度手を離したい。


「あ、あの、」
「ん?」
「う…」


見上げると甘い瞳が返る。
そ…そんなキャラじゃないじゃん…!
恋人には甘いタイプだったり…?


「も…もう寒くはない…?」
「お陰様で。」
「!」


駄目だ。
世間話にも逃げられない。


「ええと…」
「一生懸命喋ろうとしなくて良いよ。」
「喋らないと緊張する…」
「アハハ。慣れだね。頑張って。」

「手…一回離したいん…だけど…」
「え?嫌だけど。何で?」
「ッ手汗が気になるの!」
「僕は気にならないから良いよ。」

「蛍も立ったままじゃ辛いでしょ?」
「じゃあ座ればいいじゃん。」
「あ、ちょ…」


彼に引っ張られてソファに座った。
手が繋がってるから離れようがない。


「これでいい?他に言い分は?」
「…ない…デス。」
「そ。じゃあタイムもお終いね。」
「ぅえ!?」


パッと手が離れる。

やっと開放感…
手汗かいてたから空気がひやりとして…


「A。」
「蛍、…んッ、」


そのまま両頬に触れられて、しっとりと唇が重なった。

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作者名:愛羅 | 作者ホームページ:   
作成日時:2014年10月31日 20時

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