sweet*and*sour…253 ページ13
煩いな…
勉強会なんて雰囲気じゃない。
全員総出かよ。３年生まで興味津々。
「何でって…」
そんなこと言われてもね。
互いに好きだったんだから自然な流れだ。
「月島と何喋んの？純粋に疑問。」
「何…世間話？とかですかね。」
「世間話…」
「よく喋るのは部活の話…かな？」
「さあ。いちいち覚えてない。」
「何だっけ。この前凄い笑ってたじゃん。」
「何…ああ、王様のイソギンチャク事件？」
「そうそれ！」
「あれは卑怯でしょ。今思い出しても面白い。」
前に影山が山口のことを腰巾着と間違えて
“月島のイソギンチャクだと思ってた”とか。
本当に勘弁してほしい。
“ねぇもう嫌なんだけど…Aちょっと聞いてよ。”
“おかえり。なになに？”
“不覚にも死ぬほど笑った。今日王様がさぁ。”
あれはその場で腹が痛くなるほど笑ったし
耐え切れなくて帰ってすぐ彼女に話した。
谷地さんも笑い堪え過ぎて失神してたしね。
「お前！余計なこと喋るんじゃねぇよ！」
胸倉を掴まれながら影山を指差す。
「ほら見て図星。恥ずかしいんだってさ。」
「ふふ。」
「おい！」
「僕達にそんな態度とって良いのかなあ？」
「くッ…」
いつも他愛もない会話ばかりだ。
いちいち話題を探さなきゃ間が持たないわけでもない。
「ぅええ？マジで月島と話すんだ…」
「それなりに？」
「月島と居て楽しい？」
「うん！楽しいよ。」
「あの優しいAが…俺はとてもフクザツです…」
「正直にどうも。」
ふうん。
…僕と居て楽しいんだ。
「えっと俺の話したりとかは…」
「山口君の話もよく聞くよ。」
「え！？」
「サーブ練習頑張ってて、むぐ。」
「はい喋り過ぎね。」
彼女の口を手で塞ぐ。
「もご…」
「ツッキー…！」
「やめて。お前は何も聞いてない。いい？」
「えー…分かった！胸に秘めとく！」
山口が頑張ってるのは今に越したことじゃないし。
そんなこといちいち口に出す必要も無い。
“プライド以外に何が要るんだ！”
あいつが格好いいのは今更だ。
誰よりもサーブは練習してるんだからさ。
「なんだなんだ！お似合いだなお二人〜！」
「菅原さん…」
「Aちゃん良い子だもんな！月島やったじゃん！」
「いや別に…」
思わず否定が口から出そうになるが
彼女の手前そんなこと言うのもな…
実際好きになったの僕からだし。
「…ッ、…まあ…ハイ…」
後ろからひゅーひゅーと野次。
だから嫌だったんだよ…
「早く勉強に集中して。」
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作者名：愛羅
| 作者ホームページ：
作成日時：2014年10月31日 20時
