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sweet*and*sour…251 ページ11

“蛍”


「…?」


え、今呼ばれたよね?
何でそんな不思議そうな顔してるわけ?

大体さぁ…日向はAに甘え過ぎなんだよ。
優しくしたところで覚えてくんないじゃん。
最初から期待していないから優しくしたことはない。

助っ人は助かるけど何より一番腹が立つ展開は
優しい彼女が教えてるのに点数が取れないこと。

居ても居なくても結果が変わらないなら
彼女にまで迷惑をかけないでほしい。

…普通に日向にAの時間を取られるの嫌だし。

だって僕ら恋人だよ?
しかも付き合ったばっかり。

何で揃いも揃って馬鹿二人に時間割かなきゃいけないの?
鬼の所業かよ。


「あれ?呼ばなかった?」
「呼ぶ…あ、名前じゃなくてアルファベット!」
「?」
「蛍じゃなくて(K)だよ。この問題。選択肢の。」
「そういうことね。ま、そんな頑張らなくていいよ。」
「またそんなこと言う…駄目駄目!大丈夫だよ。」


彼女が()を上げたのかと思った。
言ってくれれば即刻帰らせてあげるのにさ。


「大体何でまた来ちゃったわけ?暇なの?」
「だって日向君の成績がかかってるし…」
「ちッ…」
「もー…舌打ち禁止。」
「馬鹿なのはこいつらの問題だろ。」
「まあまあ。蛍は頭が良いから頼りにされてるんだよ。」


今彼女に愚痴っても仕方ない。


「ハイハイ。じゃあ王様。この問題の続きね。」


更に舌を打って向き直る。
この時間が終われば部活して帰るだけだ。

また家で愚痴聞いて貰おう…
彼女に言ってもサラッと流してくれるし
言う側としても気が楽なんだよね。

てかそんな愚痴で時間取られるくらいなら
普通に会話すれば良いか。
どうでも良いこと喋ってるほうが楽しいし。


「ッはぁぁぁぁァ!?」
「…ッ煩いな。何。」
「お、お前ッ…月島ちょっと待て!!」


静かな部室で急に立ち上がる日向。


「け…けけけ、“蛍”って何だよ!?」
「僕の名前でしょ。」
「だから“蛍”って!」
「君に許可した覚えはないから。呼ばないで。」


無駄に名前連呼しやがって。
うざ…


「つ、ツッキー…え?本当に?」
「は?山口まで何。」


完全に僕と影山は置いてけぼりだ。

何だよ。
分からないの僕らだけ?


「ご、ごめん!!」
「?何で君が謝るの。」


彼女も何かに気付いたらしく
僕に向かって両手を合わせてきた。


「Aが月島のこと“蛍”って言ったーー!!」

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作者名:愛羅 | 作者ホームページ:   
作成日時:2014年10月31日 20時

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