輝く個性の物語【スト＊短編集】 (ページ8)

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そして向かえた週末。

『いらっしゃい。迷わなかったか？』

そういって扉を空ける彼。

「うん。大丈夫だったよ。お邪魔します。」

『どーぞ。』

彼の車椅子に続いて廊下を進む。

リビングのソファーに誘導され、腰を下ろすと、彼はそのソファーの隣に車椅子を止めた。

『今日は、家に呼んだりしちゃってごめんな。最近A忙しそうだったから、ゆっくり出来た方がいいと思ってさ。』

「……そんな風に思ってくれてたんだ。

ありがと。確かに忙しかったけど、昨日やっと一段落ついたから、これからはいつも通りだよ。」

『そっかそっか。ならよかった！あんまり無理すんなよ？』

「わかってる。」

それから私たちは学生時代の思い出話とか、会えない時間のお互いの生活の話をした。

主に彼が質問して、私がそれに答えるって感じだったけど。

『それでさぁ……。俺の足のことなんだけど。』

彼が自分の話を始めたのは、そろそろ日が沈もうとしている頃だった。

「うん。……聞かせて？」

『聞いたかもしれないけど、事故だったんだ。……気づいたら病院のベッドの上で。

“あなたの足は、もう動きません。”

って。

そう言われた。』

彼は私の手をとると自分の太ももにのせた。

『……感覚もないんだわ。全然、わかんねーの。』

眉尻を下げて笑う彼。

“ぎゅっ。”

私は思わず彼を抱きしめていた。