輝く個性の物語【スト＊短編集】 (ページ3)

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再会 blue 車椅子ページ3

「あれっ？もしかして樹？」

そこにいたのは、車椅子にのった彼でした……。

設定:社会人

大学時代に付き合っていた二人。

数年後たまたま再会したところから物語がスタート。

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“今日はいつもより少し早めに帰れてラッキー”

なんて思って、まだ日が暮れる前の並木道をゆっくりと歩く。

ふと目の前を横切る車椅子に乗った男性。

その後ろ姿になぜか懐かしさを覚えた私は歩く速度をあげ、その男性の隣へと歩み寄った。

「あれっ？……もしかして樹？」

『えっ？』

髪は赤く染められていて、私の思いでの中の彼よりは少しチャラさのましたそんな印象。

でも私の声に気づいて目を丸くしている彼は紛れもなく記憶の中の彼で……。

ただ一つ明らかに違うのが、車椅子にのっているということ。

「えっと……。樹、だよね？……久しぶり。」

『……うん。久しぶり。

……っていうかA、綺麗になったな。』

さらっとそんな事を言う。

……そう、彼はそういう人だった。

付き合っていたのはほんの数ヶ月で、誰からもモテて愛される彼の隣にいるのが辛くて、私から彼のもとを離れた。

“住む世界が違うひと。”

そう思って押し殺した彼への思い。

それは浄化されることなく、あれから数年立った今でもしこりのように私の心の奥に残ったままになっていた。

「そんなことっ∥。……はぁ。……そーゆーところ、相変わらずだね

。……それより、どーしたのその足？怪我？骨折とか？」

『あっ……う、うん……。まぁ……なんていうか。そんな感じ？』

「……そっか。うん。そっか。じゃぁはやく治してよっ！お大事に。」

突然の再会にパニックだった私は、逃げるようにその場を後にした。