【H×H】恩を返したい〈２〉 (ページ5)

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キルアのことページ5

「キルのことどう思うの？」

キルアのこと…か

なんだか幸せそうで…とても殺し屋には見えないのに…

殺したところを見て、やっぱり殺し屋だなって思ったりとか…

まだ、何も知らなくて…よくわからないけど

時に辛い顔をする。でも、本人はそれを隠そうとしているのが見えて…正直、悲しいなって思った。

そこまでしないといけないような環境で育てられたんだなって…こっちが辛くなって…

一度、こっそり心を覗いたことがある。黒く染まってて、鎖で閉じ込められていて、ここに来るまでにとても辛い思いをしてきたのがわかった。

その心がゴンと話してる時は少し明るかった。それだけゴンが大切なんだなって…感じれた。

『…ううん、言えない…でも一つ言っておくとすれば、キルアからしてゴンはとても大切な人…かな…何でわかるかって顔してるけど…能力だから』

その後イルミさんは「ふぅん」と小声で呟いた後、「じゃ」って部屋を出て行った。本当に何がしたいんだろう…あの人

「ふぅぅ」とため息をこぼした後、ベッドにヘビがいた。頭にハテナを浮かべる気持ちでポケットに手を入れると卵の殻しかなかった。

「いきなり申し訳ないねぇ。わちきはシキ。何で喋るのとか思ったろう？わちきは普通じゃないからねぇ。人間に復讐する為に生まれてきたもんだ。でも貴方は主人だし助けてもらった恩もある。だから好きなようにわちきを使っておくれ」

次から次へとペラペラ喋っている“シキ”と名乗る喋るソラヘビ。この状態で混乱しないやつはいないだろう…

恩…か…不思議な縁…恩を返したいと思っているボクの前にボクに恩を作ったヘビがいる。“恩”で結ばれた縁なのかなと思い始める自分。

飛行船が着くにはもう少し時間がある。小腹が減ったので食堂があると聞いた場所に向かってみることにした。

『…シキ。ついて来て』

「主人の命令ならねぇ」

そういって腕に登ってきた。少し冷たくてぞわぞわとはするけど、ひんやりしていて気持ちいい。

そして食堂へと足を進めた。