impossible things 4th 【Kento.N,Fuma.K】

123 貴女side ページ23

貴女side









自分の記憶を閉じ込めると同時に







時が経っていくに連れて







相手の記憶も勝手に薄れていくものだと思っていた。








ましてや







あんな勝手に居なくなった私のことなんか







すぐに忘れられるものだと。









貴「私、ダメですね、全部自分勝手で。

相手のこと考えてるフリして

結局は自分のことばかり、、、」







勝利との喧嘩のことだってそうだ。








松島くんのこと思ってるフリして







結局は自分の都合だった。








泣いちゃダメ。





ここで泣いて良いのは私じゃない。









貴「海たちには、元気でやってる、ありがとうって、ごめんなさいって、もう待たないでと、お伝えください。

それから、、さっきの、伝言も、。

健人さんには迷惑かけるかも、、しれませんが、

連絡先は秘密にしておいてください。」







必死に、






震える声を抑えながら






電話越しにでも涙を堪えてるのが伝わらないように







言葉を並べる。









健「俺は迷惑なんてしないから良いけど、

本当にそれで良いの？」






貴「はい。」






健「分かった。じゃあ伝えておく。」








少し冷たく感じる健人さんの声。








貴「よろしくお願いします。」






健「うん。おやすみ、A。」






貴「おやすみなさい、健人さん。」









きっと、健人さんには気付かれていた。







気付かれないはずがない。







気づいた上でわざと、気付かないフリをして







私の意思を確かめた。









初めて健人さんの前で泣くのを我慢した。

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