狂おしいほどに愛してる

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あ〜すっきりした。
演技見たあとで気が抜けたから急に行きたくなったのかな。


私はリンクサイドへと行く通路の角を曲がろうとした。


「わっ！！」


するといきなり角からふらっと男の人が現れてぶつかった。


「わ、ごめんなさい…大丈夫ですか？」


「いや僕の方こそ…」


そう言って男の人は私を見た。


「えっ………羽生さ…」


「大丈夫？怪我は？」


「あっ、いや大丈夫、です！」


本来は私が緊張なんてしちゃいけない立場だけどこうやって話したりするのはさすがにまだ慣れない


「あれ、てか朝倉さん？だよね、新しい施術師さんの！
あのときみんなに囲まれちゃってたからよく顔見れてなくて」


「はい、朝倉です笑 名前だけでも覚えて頂いてればもう光栄ですから……」


「いや何言ってるの名前覚えてても顔分からなかったら意味ないじゃん笑」


「あはは、確かに〜笑」


ああー、緊張で笑顔引きつる頑張れ私。


「それに同い年でしょ？敬語なんか使わないでよ」


「えっ!?それは無理ですよ！そ、そんな選手に向かって…」


「いやいや謙遜しすぎなんだって笑 別に同じ人間なんだから。いいのいいの。」


どうしよ。また断るのもしつこいよね。


「では、お言葉に甘えまして…」


「うんそうして笑 じゃ、また！」

そう言うと羽生くんはまた颯爽とその場を立ち去ってしまった。

一気に色々と起こったな…。

あ、そういえばすっかり忘れてたけど仲良くなればサイン貰えるかもしれない。明菜喜びそう。

私はそんなことを考えながらリンクサイドへと再び向かった。


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