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私はしばらく羽生くんの練習を見学してから帰ることにした。
今は…14時頃か。そろそろ帰るかなぁ。
「A!久しぶりだね!」
「あっ!お久しぶりです!」
そこにはブライアンの姿があった。
ブライアンとは私がこっちに来てからも他の選手の遠征に付き添ったりでなかなか会えない日が続いていた。
「もう帰るのかい?」
「うん、そろそろ。彼の練習はよく見れたし満足よ!」
「そうか、またいつでもおいで。良かったら車で送って行こう。」
「えっ!それはダメよ!彼の練習を優先してあげて笑」
「いやぁ、ユヅルからは『俺は1人でも大丈夫だからそれよりなるべくAに付いてて』って言われてるんだよ笑」
羽生くんめ!そんなことをコーチに!!
私は「え〜!」と苦笑した。
私だってそんなか弱い女の子じゃないですからね、1人でだって大丈夫ですよ!!
と、クリケットクラブのエントランスを出た瞬間まさしく前言撤回という状態に陥っていた。
まぁ根拠のない自信というものはすぐ崩れ落ちるもの。
自分は1人でも大丈夫だって思っててもそれは思い込んでいるだけで何の確証もないのだから。
そう、自分1人では対処できないもの。
数人の記者達がワッと私目掛けて詰め寄ってきたのだ。
「えっ??…えっ!?」
"すみませーん!あなた、連盟の方ですよねー?"
"羽生選手とはどういったご関係なんですかー?"
"交際はもうされてるんですかー?"
色んな質問が一度に、けど鮮明に私の耳から脳へと伝わってくる。
「A!とりあえずまた中へ入ろう!」
ブライアンに腕を引かれてもう一度クリケットクラブの中へと逃げる。
記者達は建物の中に入ることは出来ないのでエントランス付近でわちゃわちゃと騒いでいる。
羽生くんがブライアンに私について注意喚起したのもこういうことがあるからか。
何とまぁ頭の冴えるお方で……。
すると、そこに羽生くんが飛んで来る。
「A!何だか騒がしいと思ったら!!大丈夫!?」
「は、羽生くん!私は大丈夫だから…」
「ここはひとまず裏から出よう。車を出してくるよ。」
「俺も今日は帰ります。」
「ああ、Aのためにもそうしてあげなさい。」
待った、私のために?わざわざ羽生くんまで練習を中断しなくてもいいのに…。
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柚紀(プロフ) - 未来さん» ありがとうございます涙 これからも頑張ります\( ・ω・ )/ (2018年2月27日 7時) (レス) id: 678380d46e (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - 更新頑張ってください!! (2018年2月27日 6時) (レス) id: ee26f29eef (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - 羽生くん…天使かな?もうヤンデレ最高っすね!! (2018年2月27日 6時) (レス) id: ee26f29eef (このIDを非表示/違反報告)
柚紀(プロフ) - ゆずさん» ありがとうございます涙 ちゃんとヤンデレになってるのか不安なんですが頑張ります(*´>ω<`) (2018年2月27日 0時) (レス) id: 678380d46e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - すごいおもしろい!ヤンデレさいこー (2018年2月26日 22時) (レス) id: 1803f0d223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚紀 | 作成日時:2017年2月25日 0時