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ある程度の柔軟や準備体操が終わった頃、私も水分補給をしようとしたけど荷物をリンク脇の椅子に置いてきてしまったことに気付いた。
「羽生くん、荷物忘れてきちゃったみたいだからちょっと取りに行ってくるね!」
「分かった〜」
荷物忘れて来るなんて私バカみたい…大丈夫かな、ちゃんとまだあるかな。
バックヤードを抜けてリンクサイドに出ると心当たりのある所へと向かった。
するとちょうど私の鞄らしきものを拾ってくれている男性がいた。
「あっすみません!それ私ので……」
その男性がくるりとこちらを振り返る。
「あれ?Aじゃん笑」
「……康太……!?どうしてここに……」
「Aこそ何でこんなとこにいんだよ笑」
「わ、たしは…スケート連盟所属のトレーナーとして……」
「へえぇ、夢叶えたのか。」
「まぁ…そんなところかな…。康太は?どうして?」
「俺はフィギュアの試合のスポンサー会社に勤めててね。そういう縁もあってたまたまこの試合に招待されたんだ。」
「そうなんだ。じゃあだいぶお偉いさんなんだね……」
久々に康太に会った。1年ぶりくらいだろうか。もう二度と会うことはないと思ってたけどまさかこのタイミングでばったり会ってしまうとは…ツイてない。
「ほい、荷物。これお前のなんだろ?」
「あ、あぁそうだったありがと。」
「お前忘れっぽいとこあるからなぁ。気をつけろよ?笑」
「うん……」
顔が引きつって上手く笑顔が作れない。
きっと康太も気付いてるはず。
数秒しかない沈黙さえも辛くてとにかくここから逃げたかった。
「じゃあ、私は…これで…」
「A!待って!」
私はいきなり腕を掴まれてバックヤードに引き込まれた。
それを人波の隙間から羽生くんが見ているとも知らずに……。
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柚紀(プロフ) - 未来さん» ありがとうございます涙 これからも頑張ります\( ・ω・ )/ (2018年2月27日 7時) (レス) id: 678380d46e (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - 更新頑張ってください!! (2018年2月27日 6時) (レス) id: ee26f29eef (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - 羽生くん…天使かな?もうヤンデレ最高っすね!! (2018年2月27日 6時) (レス) id: ee26f29eef (このIDを非表示/違反報告)
柚紀(プロフ) - ゆずさん» ありがとうございます涙 ちゃんとヤンデレになってるのか不安なんですが頑張ります(*´>ω<`) (2018年2月27日 0時) (レス) id: 678380d46e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - すごいおもしろい!ヤンデレさいこー (2018年2月26日 22時) (レス) id: 1803f0d223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚紀 | 作成日時:2017年2月25日 0時