きっとやくそく。─２─

７１─YH side─ ページ22

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Aにもうかっこ悪い姿は
見せたくない。



そう思いながら挑んだ次の合宿では、
ポジション評価が待っていた。



俺が選んだのはOverTheTop
って言う課題曲。


同じチームになったメンバーには、
これは日本のアイドルの歌だと
教えて貰って、
センターと言う役割も貰えた。


この合宿から部屋割が変わって、
同じチーム毎に分けられたから
ユンドンとヒチョニとは別の部屋。


少し寂しかったけど、
同じチームの練習生達と仲良く
毎日練習も衣食住全てを共に
する事で、すごく楽しかった。


それに同じ環境に居る者同士
だからこそ気持ちが理解出来る、

SNSでエゴサーチして落ち込む子、
自分に満足いかなくて落ち込む子、

それぞれ悩みは尽きなかった
けど、お互いに励まし合って
うまくやってると思ってた。


でも、ふとした時に気付いたんだ。


俺は誰かに言えてるの？…って。



俺だって見てくれている人達の
意見が気になるのは皆と同じで、
エゴサだってする。


でも決まって後悔するんだ。

見た後で、
辞めておけば良かったって。



過去のことはもう、
デマカセな噂もあるけれど、
少なからずファンを傷付けた
ことに変わりはないから
耐えるしかないとして…


“韓国人が４人も居るのは多すぎ”
“ヘイロ組要らないんだけど”
“ヨンフン何歳？すぐ兵役じゃん”
“デビューしても他メンバーに迷惑かける”


なんて、俺にはどうすることも
出来ない国籍のこととか、
国の義務のことまで言われたら

どう改善したら良いのか
分からない。


気にしなくて良いと言われても、

応援してくれているコメントを
読んでいても、


やっぱり目にしてしまう
アンチ的な内容。


北川(怜)『ヨンフンどうしたん？』
「ん？いや、日本語歌詞読んでました♪」


そんな風に自然に強がって誤魔化して
しまって、誰にも相談出来ない毎日。


そんな日の夜は決まって思い出す。


“耳を塞いでいい、目を背けていい”


そんなAの言葉。


皆が練習で疲れ切って眠りに
ついた後、
俺は１人耳を塞ぎ目を瞑る。


あの日の背中にあった温もりを
思い出しながら眠りにつくんだ。


いつしか、
そうしないと眠れなくなった。



じゃないと、頭の中にはずっと


“他のメンバーに迷惑”
“迷惑”
“韓国人多すぎ”


つまり、
俺が居ることが迷惑だと、
俺は必要ないんだと、




そんな言葉ばかりが
頭をループして、





不安と孤独で動悸がして
眠れないから。

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