〈ツイステ〉 ねじれた世界の御伽噺 第十幕

第四章 135＿私の相棒君 ページ36

グリム「…おいA、まだ聞いてねーぞ！」

『え、何を？』

グリム「無茶するって事だよー！」

『…‥…あ、無茶する』

グリム「いうの遅いんだゾ！」


ペシッと猫パンチ…いやグリム君パンチをされた。
爪は切ってあるから特に痛くはない…肉球の感覚が頬に残る。



カリム「お前への攻撃を防げばいいんだな！」

『はい、お願いします』


カリム「…俺は難しい事分からないけど、Aは信じる。

だから…ジャミルを頼む」




ガーネットの瞳がジッと私を見る。
先輩の瞳は、私と真反対の色をしている‥けど、とても綺麗だ。



『はい、必ず…カリム先輩が殴る為に』

カリム「…うん」


カリム先輩は杖をトンと叩く、すると杖の先端から葉っぱの突風が現れ、ジャミル先輩に放たれた。

それを片手でいなしたジャミル先輩だが、その隙をついてアズール先輩が氷の魔法をくらわせる。



『…ロラ君、君も力を貸して』
ロラ【ヴァ〜】



いいよ〜という風に鳴いた。
私は宙に浮かぶノームとウィンディーネを見た。



『2人とも、お願い』

ウィン【ま、しょーがないわね。

　 私、タコ君と組んであげる】


ノーム【ドSコンビが】

ウィン【何よ】


アズール「僕をドSと確定するの止めて貰えますか」



ドSだから仕方ない…んんっ、余計な事は言わないでおこう。
しゃーねぇ、とノームは再びカリム先輩の頭の上に。



ウィン【こーいう時、熱砂の国の不死鳥がいれば
　
　 灰に戻してくれるのに】


ソーマ【あいつほど気まぐれな鳥は見た事ねぇー

　 諦めろ】


ウィン【それもそうね。タコ君、うまく合わせてね】


ノーム【小僧、ヘマしたら土に埋めるぞ】



アズール「…またお願いが極端ですね」
カリム「よく分からないけど、分かった！」



アズール先輩は水、カリム先輩は草の魔法をそれぞれ吐き出す。


水と水の精霊、草と大地の精霊。
相性はいいため、それぞれの攻撃が重なり、巨大な合体魔法に成りあがる。


そして、彼らが築いてくれた大きな隙を逃さず、攻撃するグリム君達。



紅の魔人が一歩ひき、ジャミル先輩が腕を交差し、目を瞑った。

今…と思い走り出そうとした時、グリム君が私の方を向いた。





グリム「また…起きなかったら許さないんだゾ！！」





凄く止めたそうに、だけど私を送り出してくれる小さな“相棒”。

私はそんな彼にふっと笑みを浮かべる。




『…いってきます、私の“相棒君”』

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