第四章 55＿激変する態度 ページ6
カリム「でも！ オレが生み出す水は、世界一美味いって自信があるぜ」
カリム先輩に言われて、水を飲んでみると…確かに普通の水とは少し違うと分かる。
グリム「そう言われてみれば……確かに、お腹に優しい冷たさでありながら、決してぬるくない。
新鮮な湧き水のように口当たりまろやかでゴクゴクいけるお水なんだゾ」
ジャミル「モンスターに水の違いなんかわかるのか？」
グリム「なにおぅー！？失礼な！オレ様の味覚は確かなんだゾ！」
『味覚が確かな獣は拾い食いしないと思うよ』
黒い石食べたり、芝生食べたり、勝手に悪徳商人と契約したり……て、味覚関係ないな。
カリム「うんうん、オレの見込み通りだ！
グリムは違いがわかるヤツだって思ってた！よし、褒美にクラッカーをやろう」
グリム「ウッ、ハラは減ってるけど、今パサパサしたものは食いたくねぇんだゾ〜……」
『どこからクラッカーを…』
懐から取り出したクラッカーをグリム君に押し付けるが、彼は口を噤んで拒否している。
『……さっきと別人だね』
グリム「確かに…」
カリム先輩の態度が、激変した。
さっきまでの威圧的な態度がどこへ行ったのか、いつものカリム先輩に戻っていた。
何がキッカケで、あぁなったんだろう…？
＿＿＿でも、まだ不安な事がある。
『……妖精が見えない』
昨日までは見えていた妖精たちが見えない。
いつものカリム先輩に戻っているのに妖精たちが現れてくれない。
【聞こえる力なくなった、見える力なくなった】
夢の中で聞いた言葉が脳裏に浮かびあがる。
＿＿＿いや、まさか…だって体質なものだって、無くなることは無い。
一抹の不安を抱え、私はグリム君から少し離れる。
そして、カリム先輩の魔法によって溜まった水たまりにそっと手を当てる。
水が少しでもあれば“彼女”は来てくれる。
そうだと言われていたんだ、だから＿＿＿きっと、大丈夫。
『…ウィンディーネ』
彼女の名前を小さく呼ぶ。
いつもなら水の中から泡が出てきて、ウィンディーネが現れていた。
けど、泡は出てこず、水面も変化はない。
今度は砂の上に手を置いてみた。
『…ノーム？』
大地の精霊でもあるノーム、普段はサバナクロー寮のマジフト場に住んでいるが、
砂がある所ならば大抵来てくれる……と言ってくれていた。
だけど、私の前に小さな砂嵐は現れてくれない。
第四章 56＿蛇に魅入られる→←第四章 54＿【枯れない恵み】
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ALICE(プロフ) - 麗さん» 細かなご指摘ありがとうございます。作者も本職業ではないため、誤字や文字の間違いなどがありますが、ご了承下さい。今回は麗様の意見を参考に修正させて頂きました。小さなご指摘いつも本当にありがとうございます！ (2021年2月28日 2時) (
レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - 麗さん» 何度もご指摘ありがとうございます！修正いたしました！麗様がおっしゃるように修正しました！「いっぱい」と「一杯」だと意味が違ってきますし。「一杯」という意味は主に分量などで使われますから今回の場合はひらがなでの「いっぱい」がふさわしいと考えました。 (2021年2月28日 2時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 27ページ 一杯つくるよ いっぱい と平仮名の方が意味的にはしっくりくるのではと思ったのですが、、、、余計な一言ですよねこのコメント、、、 (2021年2月28日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 21ページ 瞬間掌返し？」 二重カッコではないのでしょうか？ (2021年2月28日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ウミソラさん» 長いシリーズですが、最初から読んでいただきありがとうございます！更新頻度を落とさず、頑張って行きますので、よろしくお願いいたします！ (2020年7月29日 18時) (レス) id: 8355c0cb19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ALICE | 作成日時：2020年7月27日 17時
