第四章 76＿地響き？ ページ27
…そんな約束したんだっけな、よく覚えてるな…
ボンヤリ考えつつ、グリム君をぎゅっと抱きしめる。
グリム「ここから出て、オンボロ寮でパーティーだゾ！」
『………そうだね。奢る代わりにいっぱいつくるよ』
グリム君のお蔭で少し…いやかなり冷静になれた。
無くなってしまった物は、もう仕方がない。
なら、今やるべきことをする…出来てもいない事をグチグチいう物じゃない。
『…グリム君、スプーン貸して。今日は私が掘るよ、グリム君は少しでも休まないと』
グリム「だ、だけどよ…」
『私は少し寝たから、ほら、脱出する時寝不足で動けなかったら辛いでしょ？』
ポンポンと頭を撫でて、ベッドへ運ぶ。
少し唸っていたけど、シーツに包まれると、疲労や寝不足からすぐに眠ってしまった。
穴が開いたら起こし上げよう。
『…よし』
スプーンを片手に、小さな穴が開いている床にスプーンを突き立てた。
＊＊
30分……いや、1時間たっただろうか？
漸く…私でもギリギリ通れるくらいの穴が開いた。
『っ…ふぅ、グリム君、起きて。穴が開いたよ』
グリム「ふがっ！？…ほ、ほんとか！？」
グリム君は起きて早々、私が開けた大きな穴を見て目を輝かせる。
グリム「おぉ！デカイ穴だゾ！」
『そんなに大きくはないのが傷だけど…何とかギリギリ通れるくらいにはなったよ』
グリム「頭が通ればだいたいの穴は通れるって相場が決まってるんだゾ！」
『肩が相場だと思うよ、グリム君』
スプーンを地面に置き、スカラビア寮の制服から元の制服に着替える。
グリム「オレ様が先に出てオマエらを引っ張ってやる。
よぉし、脱出作戦開始なんだゾ！」
そして、グリム君が穴を通り、下へ降りる。
最後に何も忘れていないか確認し、私も穴を通った。
＊＊
グリム「ふぅ………やっと部屋の外に出られたんだゾ」
『うっ、絞り出されるパスタの気持ちがわかった気がする……』
グリム「さ、今のうちにオンボロ寮へ戻るんだゾ。音立てないように……」
『グリム君、それってほぼフラグが…』
たっている、と言おうとした時、
＿＿＿グゥウウウという地響きの音が響いた。
お約束の展開だよ、これは…。
そして、廊下の角の方から此方へ向かってくる足音と…
「何だ、地響きのような音は！？」という声が…そりゃそうだろうな。
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ALICE(プロフ) - 麗さん» 細かなご指摘ありがとうございます。作者も本職業ではないため、誤字や文字の間違いなどがありますが、ご了承下さい。今回は麗様の意見を参考に修正させて頂きました。小さなご指摘いつも本当にありがとうございます！ (2021年2月28日 2時) (
レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - 麗さん» 何度もご指摘ありがとうございます！修正いたしました！麗様がおっしゃるように修正しました！「いっぱい」と「一杯」だと意味が違ってきますし。「一杯」という意味は主に分量などで使われますから今回の場合はひらがなでの「いっぱい」がふさわしいと考えました。 (2021年2月28日 2時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 27ページ 一杯つくるよ いっぱい と平仮名の方が意味的にはしっくりくるのではと思ったのですが、、、、余計な一言ですよねこのコメント、、、 (2021年2月28日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 21ページ 瞬間掌返し？」 二重カッコではないのでしょうか？ (2021年2月28日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ウミソラさん» 長いシリーズですが、最初から読んでいただきありがとうございます！更新頻度を落とさず、頑張って行きますので、よろしくお願いいたします！ (2020年7月29日 18時) (レス) id: 8355c0cb19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ALICE | 作成日時：2020年7月27日 17時
