第四章 71＿煩い ページ22
『………‥……本気でいらないといわれた人間の気持ちが、あなた方に分かるんですか。
今、貴方達がしているのはそういう行為です。
何が本気で尊敬しているだ、この寮に選ばれてよかった、だ……結局口だけですか。
その程度で、簡単に捨てられるものだったんですね』
私の言葉に寮生たちはどこかハッとした様子で、下を俯く。
はぁ、と溜息を吐き、ジャミル先輩に頭を下げる。
『すいません、金のグラス、割れちゃいました』
ジャミル「いや…抑えられなかったのは俺の責任だ。此方こそすまない、けがはないか？」
『………投げただけですし、傷は無いですよ』
【無くなったのに、まだそこにいるの?】
【あなたは人を不幸にする】
また、夢の中の言葉が……母の言葉が思い出してくる。
嫌になる、こんな時に出てこないで欲しい。
＿＿「お前達、こんな時間に集まって何をしている」
背後から聞こえてきた声に驚いて全員振り返る。
そこにいたのは＿＿＿カリム先輩だった。
グリム「げげっ、見たかっちまった！」
ジャミル「カ、カリム……！」
カリム「どうやらお前達には昼間の訓練では物足りなかったようだな。
体力が有り余っているらしい。
ジャミル！今すぐ寮生を庭に出せ！」
ジャミル「庭へ……？」
カリム「限界まで魔法の特訓をする」
寮生「そんなむちゃくちゃな……！」
グリム「オレ様、すでに疲れが限界なんだゾ〜！」
カリム「聞こえなかったのか。早くしろ！」
ジャミル「……わかったよ。お前達、外へ出ろ」
仕方なく、私達は庭へ出ることにした。
……あの時、私がグラス何か投げなかったら気付かれなかっただろうか。
何でこう余計な真似しかしないんだろう、私は。
【無くなった、無くなった】
煩い
【聞こえる力なくなった、見える力なくなった】
そんな事、とっくに気付いている。
【無くなったのに、まだそこにいるの?】
＿＿＿…………煩い。
寮生達が庭に出る中、私は立ち止まった。
脳裏で幼い私の声が響く。
本当にやめて、今…その言葉は聞きたくない。
だって、それも認めちゃったら‥‥‥私は本当に…。
カリム「おい、A、お前も早く外へ‥‥………………」
カリム先輩が目の前に来たことが分かる。
あ、駄目だ、早く歩かないと…。
また機嫌を損ねてしまう。
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ALICE(プロフ) - 麗さん» 細かなご指摘ありがとうございます。作者も本職業ではないため、誤字や文字の間違いなどがありますが、ご了承下さい。今回は麗様の意見を参考に修正させて頂きました。小さなご指摘いつも本当にありがとうございます！ (2021年2月28日 2時) (
レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - 麗さん» 何度もご指摘ありがとうございます！修正いたしました！麗様がおっしゃるように修正しました！「いっぱい」と「一杯」だと意味が違ってきますし。「一杯」という意味は主に分量などで使われますから今回の場合はひらがなでの「いっぱい」がふさわしいと考えました。 (2021年2月28日 2時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 27ページ 一杯つくるよ いっぱい と平仮名の方が意味的にはしっくりくるのではと思ったのですが、、、、余計な一言ですよねこのコメント、、、 (2021年2月28日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 21ページ 瞬間掌返し？」 二重カッコではないのでしょうか？ (2021年2月28日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ウミソラさん» 長いシリーズですが、最初から読んでいただきありがとうございます！更新頻度を落とさず、頑張って行きますので、よろしくお願いいたします！ (2020年7月29日 18時) (レス) id: 8355c0cb19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ALICE | 作成日時：2020年7月27日 17時
