第四章 69＿オール５の成績 ページ20
蛇のように目を細め、笑みを浮かべるジャミル先輩は私の右手首につけられた銀のバングルを撫でる。
『‥…す、すいません、お話止めちゃって』
ジャミル「いや、気にするな。そこまで俺を評価してくれるのは個人的にも嬉しい事だ」
変わらない笑みだ。
初日からずっと見てきた、こちらを心配する優しい笑み。
けど、何故だろう…今、その裏側を垣間見てしまった気がする。
まさか、気のせいだ…そう考えなおし、首を振る。
寮生「ジャミル副寮長の助力あってのものじゃないですか！寮生はみんな知っていますよ」
寮生「なんで前寮長はジャミル先輩を選ばなかったんだ！？」
私の言葉を筆頭に他の寮生達が騒ぎ出した。
うわっ、引き金引いたの私だ、ごめんなさい。
…………けどなぜだろう、何か“これ”自体……仕組まれていた様な気が……。
ジャミル「前寮長を責めるな。
アジーム家の親戚筋の人間が本家の跡取りカリムを差し置いて俺を選べるわけが………
あっ！」
ジャミル先輩は慌てて口を紡ぐ。
だが、その言葉は全員に聞こえてしまった。
グリム「はぁ〜！？また“アジーム家”なんだゾ！？」
寮生「そんな事情があったなんて、知らなかった……つまり、コネじゃないですか！」
寮生「汚ねぇ……汚すぎるぜ、アジーム家！」
ジャミル「頼む。どうか今の話は聞かなかったことにしてくれ！」
必死に皆を宥めるジャミル先輩。
だけど、コネだと気づいた寮生さん達の不満が止まる事はない。
寮生「ナイトレイブンカレッジは、実力主義だからこそ、名門と呼ばれているはず、親の威光で評価されていいわけがない！」
寮生「そうだぜ、副寮長！俺達、そんなの納得いかねぇよ！」
寮生「学園の中では身分や財力なんか関係ない！誰もが平等であるべきでしょ！」
ジャミル「それは＿＿しかし……」
……正直、今の言葉に頭が痛くなった。
魔法がない人間がここに学園長のコネでいるからな……。
まぁ、唯一の取り柄でもある体質すらなくなったから…本当に意味がないんだけど。
寮生「スカラビアは砂漠の魔術師の熟慮の精神をモットーとした寮。
俺は昔から、アジームよりもバイパーのような思慮深いヤツが寮長になるべきだと思っていたんだ」
ジャミル「待ってくれ！俺だって特別優秀なわけじゃない。
成績だって、いつも10段階でオール5の平凡さだ。寮長にはふさわしくないよ」
オール5？全部が？
作られたような“普通”だな…逆に凄い。
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ALICE(プロフ) - 麗さん» 細かなご指摘ありがとうございます。作者も本職業ではないため、誤字や文字の間違いなどがありますが、ご了承下さい。今回は麗様の意見を参考に修正させて頂きました。小さなご指摘いつも本当にありがとうございます！ (2021年2月28日 2時) (
レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - 麗さん» 何度もご指摘ありがとうございます！修正いたしました！麗様がおっしゃるように修正しました！「いっぱい」と「一杯」だと意味が違ってきますし。「一杯」という意味は主に分量などで使われますから今回の場合はひらがなでの「いっぱい」がふさわしいと考えました。 (2021年2月28日 2時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 27ページ 一杯つくるよ いっぱい と平仮名の方が意味的にはしっくりくるのではと思ったのですが、、、、余計な一言ですよねこのコメント、、、 (2021年2月28日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 21ページ 瞬間掌返し？」 二重カッコではないのでしょうか？ (2021年2月28日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ウミソラさん» 長いシリーズですが、最初から読んでいただきありがとうございます！更新頻度を落とさず、頑張って行きますので、よろしくお願いいたします！ (2020年7月29日 18時) (レス) id: 8355c0cb19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ALICE | 作成日時：2020年7月27日 17時
