第四章 62＿確信へ変わる ページ13
ジャミル先輩が渡してくれた水を飲む。
冷たい水が乾いた体に浸透していく……助かった。
ジャミル「水を飲んで少し休め。陽が高くなって気温が上がってきた。
きっと帰り道のほうがキツくなるぞ」
寮生A「ジャミル先輩………」
チラリとカリム先輩を見るが…彼の側には寮生の姿はない。
赤いガーネットの瞳はただじっと虚空を見つめていた。
『………カリム先輩』
このまま寮生達が暴走をしたら、カリム先輩の味方はいなくなる。
本当にどうしてしまったのか……聞いてみたら、変わるのだろうか。
一人佇む彼の側に歩み寄ろうとした時、ガシッと腕を掴まれた。
『！…ジャ、ジャミル先輩』
ジャミル「水はもういいのか？A」
『…あ、はい。ごちそうさまでした……あの私、カリム先輩の所に』
ジャミル「……あんな状態なのにカリムの事を気に掛けてくれる何て………本当にAは優しいな」
スッとジャミル先輩の瞳が薄まる。
＿＿何故か…………背筋がゾッとしてしてしまった。
本当につい、反射的に……ジャミル先輩の手を振り払っていた。
自分でも、何故そうしたのか……分からないまま。
ジャミル「！？」
『！？………‥あ、す、すいません！！そ、その…そんなつもりじゃ…！』
ジャミル「……いや、こちらこそいきなり失礼だったな。すまない」
『……いえ、ごめんなさい。寝不足なので頭が回っていなくて………その不愉快に思ったとかじゃないんです！……い、いや…えっと』
必死に謝罪し、誤解だと伝えるが…自分でも頭が回っていないから、何を言えばいいか分からない。
そんな必死な私を見てか、ジャミル先輩は先ほどと変わらない笑みを向ける。
ジャミル「気にするな。そんなに慌てているという事は本当に頭が回っていないんだろう？」
そして、私の手を取り、木陰の方へ誘導してくれた。
ジャミル「もう休憩は終るが、少しここで休んでいろ」
『………すいません』
ジャミル「…‥…気にするな。“君”の側にいる“小さい人”だって、不安がっているぞ」
『え』
ジャミル先輩の言葉に、さっと血の気がなくなった。
だが、それを知らないジャミル先輩は私に優しい笑みを浮かべる。
ジャミル「君が不安がっては、彼らも不安がる。早く答えてあげろ」
『………………‥妖精、今………私の側に？』
ジャミル「？…君の肩に乗っているだろ？」
何を当たり前のことを、というようにジャミル先輩は告げた。
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ALICE(プロフ) - 麗さん» 細かなご指摘ありがとうございます。作者も本職業ではないため、誤字や文字の間違いなどがありますが、ご了承下さい。今回は麗様の意見を参考に修正させて頂きました。小さなご指摘いつも本当にありがとうございます！ (2021年2月28日 2時) (
レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - 麗さん» 何度もご指摘ありがとうございます！修正いたしました！麗様がおっしゃるように修正しました！「いっぱい」と「一杯」だと意味が違ってきますし。「一杯」という意味は主に分量などで使われますから今回の場合はひらがなでの「いっぱい」がふさわしいと考えました。 (2021年2月28日 2時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 27ページ 一杯つくるよ いっぱい と平仮名の方が意味的にはしっくりくるのではと思ったのですが、、、、余計な一言ですよねこのコメント、、、 (2021年2月28日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 21ページ 瞬間掌返し？」 二重カッコではないのでしょうか？ (2021年2月28日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ウミソラさん» 長いシリーズですが、最初から読んでいただきありがとうございます！更新頻度を落とさず、頑張って行きますので、よろしくお願いいたします！ (2020年7月29日 18時) (レス) id: 8355c0cb19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ALICE | 作成日時：2020年7月27日 17時
