第四章 36_謎の痛み カリムSIDE ページ37
月明りに照らされた砂漠と宝石みたく綺麗な星空。
こんな綺麗な景色が目の前にあるのに…目を瞑っていちゃ、勿体ない。
カリム「怖がる、俺がいるから。Aを置いて行ったりしない!」
『………カリム先輩』
カリム「どうだ?凄ぇ、綺麗だろ?」
キョトンとした顔をするAに俺は笑みをかける。
悲しそうな顔はお前には似合わない。
だってお前の蒼は凄ぇ綺麗なんだ、海の青でもない、空の青でもない、特別な蒼。
お前を置いて行った奴等なんか忘れて、空高い景色を楽しんでほしい。
そんな気持ちを込めて、俺は彼女を見た。
ふと、今まで恐怖で強張っていた表情が、柔らかくなり、
Aは俺に笑みを向けてくれた。
…とても暖かい、優しい笑みを。
『はい、とっても綺麗です…カリム先輩、ありがとうございますっ』
ドキリ、と心臓が痛くなる。
あれ……毒、じゃない……でも痛い。
カリム「!…‥‥…あ、あぁ。気に入ってくれてよかったよ」
俺は取り繕った笑みを浮かべ、Aに微笑み返した。
この痛みは__何だろうか?
ジャミルに聞いてみたら………分かるだろうか?
****
ASIDE
高さが少しずつ慣れて、恐怖心が和らいでいく。
……高い所って、こんなに綺麗だったんだなぁ。
カリム「空を自由に飛び回るのって、いいよな。本当に小さい悩みなんか全部どうでもよくなる」
ふと、カリム先輩は星空の方を見上げ、そう呟いた。
カリム「ジャミルにはいつも“お前は色々気にしなさすぎだ”って言われるけど、
アイツも、もう少し気楽に生きればいいのにな…」
『…ジャミル先輩をとても信頼しているんですね』
カリム「あぁ!あいつはいつも俺の側にいてくれた。
___あいつだけは、俺を裏切らないでくれたんだ」
寂し気な顔を浮かべたカリム先輩にあ…となる。
そうだ、お金持ちで、毒見が必要なほどのカリム先輩。
その中で…ジャミル先輩だけは信じられたのか。
2人の信頼している様子を見たら、当たり前だけども。
__本当に信頼しているんだな。
グリム「ふな゙っ!あっちの川の上、見たことない鳥が飛んでるんだゾ!」
『白鳥…?いや、でも…砂漠だしな』
カリム「ハハ、よし、見に行ってみるか!」
また急な急降下でビックリしたが、先ほどより恐怖は無い。
………私は、見ないようにしてきたんだろう。
叔母たちの事があって、ずっと___“何もかも”を。
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ALICE(プロフ) - 麗さん» 気づかないうちに誤字ってました!!何度もありがとうございます!修正させて頂きました!! (2021年2月28日 2時) (レス) id: a3dd506789 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 27ページ グリム の リ がアールだけになってます。英語が打てないので言葉での説明になってしまうのですが、、、 (2021年2月27日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - 琴葵さん» 遅い返信になりましたことお詫びいたします。コメントありがとうございます!このシリーズを気に入って下さり、とてもうれしいです!今後とも精進いたしますので、よろしくおねがいします! (2020年9月24日 17時) (レス) id: 8355c0cb19 (このIDを非表示/違反報告)
琴葵(プロフ) - 面白すぎて一気にシリーズを見てしまいました!!!更新楽しみに待ってます!!!!!!!!どうかご自愛くださいませ! (2020年7月27日 11時) (レス) id: b0ea0349a7 (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - 雪さん» 2回目のコメントありがとうございます!今後とも更新進めていきますのでよろしくお願いいたします! (2020年7月26日 20時) (レス) id: 8355c0cb19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ALICE | 作成日時:2020年7月24日 18時