第四章 2_ウィンターホリデー ページ3
『っ!!』
切羽詰まったような男の声で、私は起き上がった。
見渡すと、そこはオンボロ寮の自室。
『………海の夢の続きは砂漠……そして、あの夢は』
チラッと時計を見れば、起きなければいけない時間だったので、ベッドから降りる。
ふと、鏡を覗き込むが……目の前に立つ私以外の人影は見えない。
『……考えすぎかな』
私は制服に着替え、下へ降りた。
**
階段を下りて厨房へ向かう際、ゴーストさん3人衆が揃っていた。
ゴーストA「おやA、寝ぼけた顔してどうしたぃ」
ゴーストB「まるであの世でも見てきたみたいな顔じゃないか。ヒッヒッヒ」
『あの世見た事無いんで…どうなんですかね…』
あの世見てきた顔ってどんなの?
ここにきてもう半年……すっかり彼ら、ゴーストさん達との暮らしにも慣れた。
つまみ食いしたり、グリム君への悪戯は控えて欲しいけど。
ゴーストC「今日は秋学期の締めくくりの日じゃ。
最後に大ポカやらかさんように気を引き締めていいくんじゃぞ」
『もう秋学期も終わりか……早いな』
つまり、今日で一学期終了。
明日から、冬休み……この学園ではウインターホリデーになる。
この学園にきて…もうそんな立つのか……早いものだ。
一向に元の世界に戻る方法は分からないけど…‥。
ゴーストA「そうだ、明日から学園はウインターホリデーだ。
君らはどうやって過ごすか決めたのかい?」
その時、階段からトコトコと足音が聞えたので振り返ると、
グリム君が、目をこすりながら降りてきた。
グリム「んん?“ういんたーほりでー”ってなんだゾ」
やや舌が回らない様子でゴーストさん達に問いかける。
ヨジヨジと私の靴下を引っ張ってきたので、しゃがみ込んで、抱えて上げた。
最近、抱っこをねだられる時にされる行動だ。
ゴーストA「冬の長期休暇のことさ。殆どの生徒たちは実家に戻って年越しを家族と祝うんだ。
ご馳走を囲んでね」
グリム「ふな゙っ!?ごちそう!?」
ゴーストB「そうとも。ローストターキーにケーキにジンジャーブレッドハウス……!」
『皆さんは行かないんですか?』
ゴーストC「俺等は行かねぇな。
だけど、ゴーストの中にもあの世に戻って家族と過ごすヤツもいるぜぇ」
ゴーストA「そのままこっちに戻ってこないヤツもいるけどな!ヒッヒッヒ」
『それは成仏してらっしゃると思います』
第四章 3_グリムの家族→←第四章 1_〜In a dream 〜〈熱砂の策謀家編〉
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ALICE(プロフ) - 麗さん» 気づかないうちに誤字ってました!!何度もありがとうございます!修正させて頂きました!! (2021年2月28日 2時) (レス) id: a3dd506789 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 27ページ グリム の リ がアールだけになってます。英語が打てないので言葉での説明になってしまうのですが、、、 (2021年2月27日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - 琴葵さん» 遅い返信になりましたことお詫びいたします。コメントありがとうございます!このシリーズを気に入って下さり、とてもうれしいです!今後とも精進いたしますので、よろしくおねがいします! (2020年9月24日 17時) (レス) id: 8355c0cb19 (このIDを非表示/違反報告)
琴葵(プロフ) - 面白すぎて一気にシリーズを見てしまいました!!!更新楽しみに待ってます!!!!!!!!どうかご自愛くださいませ! (2020年7月27日 11時) (レス) id: b0ea0349a7 (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - 雪さん» 2回目のコメントありがとうございます!今後とも更新進めていきますのでよろしくお願いいたします! (2020年7月26日 20時) (レス) id: 8355c0cb19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ALICE | 作成日時:2020年7月24日 18時